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11 雨降る時道は変わる

 一方、神室は

あの話を聞き終わり。

早くレナに会いたかった。


 当たり前だ。

レナが友好的に歩み寄ったのだから。


 その期待は。


「会えるよ、レナに」

直ぐに現実のものとなる。


 ロディは


「さあ、行こう。おいらに着いてきて」

と言う。


 ―――雨の降る中。

 お互い傷だらけながらも、

ロディはこの街を知り尽くしているようで、


裏道、地下道を通り、

なんとかその場所へたどり着く。


そこは、どこやら、暗がりの場所、目の前には高い壁。


「ここは城の裏っかわ」

とロディは言う。


―――俺はずっと、近くに居た。彼女の。

ある意味一番近かっただろう。


身体も心も。


俺はやっと

レナに合える。


(・・・)

複雑だった。

目の前の美少女は、

もう攻撃しないのか?

本当に?

本当か?


俺は疑った。

トラウマになっている。

それはそうだ、何度も命を落としかけただから。


――――


「ごめんなさい」

それが少女レナの第一声だった。


そして目を瞑り、下を向く。


もっともの言葉だろう。


そして


「・・・私、なんて言ったらいいか」

と反省の色を露にするレナ。


俺はただじっとレナを見る。


無言で。


ロディが


「レナ・・」

と呟く


俺は

相変わらず、レナを見つめている。


レナは自責の念から、膝をつき、手を地面に着く。


俺はそのレナに


「レナ、君は大丈夫だったのかい?」

と言う。


「!?」

レナは驚いて、俺を見る。


更に俺は

「今までのことはもういい」

と続ける。


レナは

「あ・・」

唖然としながら


徐々に

涙を浮かべた。


―――ここは、城の中。

裏口から入っている。

 どう考えても、正当な手段ではない。

が、もはやそんな場合ではない。

 

向かっている先は。

テリオスの書斎。


レナは、当時ここにテリオスと一緒に居たこともあるため、道には詳しいようだ。


 やがて、警備の目を潜り抜け、辿り着いたのは、城の地下3階

の、カギがかかった部屋。


扉の前にロディが立つ。

「おいらの出番だね」

といい、懐から爪楊枝を取り出す。


そしてガチャガチャとすると、かちっと空く。


そこは正に書斎。


本棚が立ち並び本の数は数千冊だろう。


「すご」

ロディが驚く。


入り口をバレないように閉めて鍵を閉める。

さらにここにはセキュリティがあったが、

入室したのがレナ、つまり、当時住んでいたテリオスの恋人だったため

パスしていた。


俺は部屋を見渡す。


一面本。

だらけだ、

あとはモダンな机と椅子。

机の上にはメモ。

そして、絵画。

その壁を隔てた隣には、給湯室。


目立つのはそれくらいだ。


机の上にメモがある。

そこには

「想いは現実に」

とある。


想い。これは?


レナがメモを手に取り


「テリオスがよく言っていた言葉」

と言う。


そして、絵画。


大きく。横幅3メートルほどある。


描かれているのは、過去の悪魔たちとの戦争。


右側が人間の世界と、勇者たち。

左側は魔界、と悪魔。

真ん中には、観音開きの扉が閉じている。


 ここへ来たのは良いが、一体?

俺は不思議がる。


 ここまで必死に来た。

その理由。それは、

レナが知っているはずだ。


俺とロディはレナを見る。


―――レナは、


「想えば叶う」

と呟く、そして、懐から、本を取り出す。

その本には見覚えがあった。


何処だったか?


「あ!?」

そう、それは、ヴィクターの魔導書!


あの魔法の矢を作っていた魔導書だ。


(何故レナが?)

俺は不思議がる。


すると


「盗賊のおいら顔負けだね」

とロディが言う。


まさか?盗んだのか?


一体どうやって?


レナは教会で代わりに祈る時、そっくりの本とすり替えていた。


そして、書斎の奥へと進む。

するとレナは

一つの本棚の前に立つ。


その本棚は、一見何の変哲もない。


しかし、よく見ると1列の本の列が少し斜めに傾いている。


それを手で起こすレナ。


すると、そこに隙間が出来る。


丁度一冊の本が入るくらいの隙間が。

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