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スレッド5 朝からヤンキーの靴が盗まれました

何年ぶりの更新なのか。もう少し続けます。

翌朝。無事に朝を迎えられたことを神に感謝した。

この数日が激動すぎる。きっと走馬灯にはこのシーンがハイライトされるんだろうな。

家に帰ってからメールで改めて二人の間のルールを決めた。そんなに多くはない。

1.ヤンキー口調を抑えよう

2.互いを苗字で呼ぼう

3.学校内では程よい距離を置こう


この3つだ。恋愛を教えるなどという意味のわからない関係を誰かに知られるのはマズイだろうということでこう決まった。マスクを外す事も提案したが恥ずかしすぎて無理らしい。努力目標だな。

眠い目を擦りながら校門を抜けた。時刻は8時過ぎ。そろそろ始業の鐘がなる頃だが植野は学校に来ているだろうか。出席番号的に俺のひとつ隣が植野の靴箱だ。ちらりと見るとその下駄箱には何も入っていなかった。おや?

俺は脱いだ革靴を下の段に入れて上履きを取った。何故何も入っていないんだろうか?なんとなく違和感を感じながら教室へ向かった。程なくして植野も教室へ入ってきた。俺の少し後ろに居たようだ。でも上履きを履いていない。植野は困り顔で俺の方へやってきて、

「私の上履きを知らないか」

「いや、俺が来た時にはもう下駄箱には無かったぞ」

「なんでそんなとこ見てんだ変態野郎」

……ごめんなさい。


隣なんだもん視界には入りますよ……とは口に出さず辺りを見回したが上履きらしき物は……見当たらなかった。

代わりに見つけたのは教室の後ろの方から注ぐ数個の視線だった。ニヤニヤ笑う女生徒達の視線だ。

「あの子たち知ってる?」

「いや、話したこともないな。」

こちらを見ている女生徒の数は3人。クラスのカーストだと上の方に居そうだ。髪は揃えたかのように3人とも金色に染まり長い爪で少し傷んだ髪をいじっている。爪が長いせいでスマホをいじる度カツカツと音がする。困った顔の植野を見ながら嬉しそうにしているのが少し腹立たしい。ちなみに陰キャすぎる俺は名前を覚えていなかった。

「なぁ、植野の上履きがどっかにいったらしいんだがどこに行ったか知らないか?」

立ち上がった俺はニヤニヤしている3人の方へ歩み寄り、意を決して聞いてみた。

「し、知らないわよ。なくしたんじゃないの?」

「私たちを疑ってるわけ?」

話しかけられると思っていなかったのか途端に慌てた声を出す金髪トリオ。

「いや、こっち見てニヤついてたから」

「見てんじゃないわよ変態」

口々に罵倒されてしまった。まだ朝だと言うのに俺のHPはもうゼロに近い。しんどい帰りたい。

「し……大友はな、変態だけど良い奴なんだぞ!」

植野が追撃してきた。フォローになってないぞ。

座っている金髪トリオにとっては、背の高い植野が近くに立つとそれなりの圧迫感があるだろう。ましてハイキック停学騒動は全校生徒が知るところだ。勝気な顔が引きつっている。

「私は本当に何もしてないわよ!」

と口々に言うその声は少し震えている。嘘はついていなさそうだ。

「じゃあこの件について何か知っていることは無い?」

手がかりがあればあとは俺が探せばいい。竜王も狩り出せばすぐ見つかるだろう。

「ウチらの先輩たちが上履き持ってったのよ。私たちはそれを見てただけ。」

真相はだいたい見えた。何らかの意図があって3年生の女生徒が植野の上履きをどこかへ持ち出したのだ。俺に出来ることはその理由を聞き出し上履きを取り返す事だけだ。その時始業の金が鳴った。植野はどこからか古い上履きを借りてきていた。とりあえず今日一日はそれで過ごすらしい。俺は隣の席の竜王に声をかけた。焼きそばパンで協力を取り付けた。俺たちは放課後を待った。

少しずつ書き続けます。目指せ完結。

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