スレッド2 ランチタイムに現れたのはヤンキーでした。
続きです!ぜひ1話からご覧下さい
月曜日。とりあえず例のあの子に会わないように気をつけないと殺されてしまう・・・
でも意外と
「可愛かったなあ」
偶然とはいえヤンキーではない女の一面を見せられた俺は彼女に対する認識が少し変わったと感じていた。あたりを注意深く見回しながら自らの教室へ。数人の男友達と挨拶を交わしつつ机に向かう。
「ねっみぃな」
昨日はあんなことがあったせいでドキドキしてあまり眠れなかった。机に突っ伏して始業のベルを聞く。学級委員の山下さんの号令や担任の向井先生の点呼を上の空で受け流し頭ではもし件の彼女に会ってしまった場合どんな反応をすれば良いか考えていた。気づけば4時間目は終わり最も警戒すべき昼休みになっていた。俺は立ち上がり友人らと学食へ向かうことにした。
私立雀坂学園は学費が一般の高校よりも高めな代わりに様々なサービスや支援をうけることができる。何を言いたいかといえば、食費も学費に込みになっているのでタダなのである。もちろんお弁当という選択もあるが食堂の使用率は99%だ。つまり高確率で件の彼女も食堂にいるということだ。友人らとくだらない話をしながら食堂へ。各々が好きな物を皿に盛っていく。プレートをいっぱいにした俺らは席を探す。急いで来たかいもあって程なく見つかった席に腰をおろす。よし。
「いないよな・・・」あたりを見回して彼女のシルエットが無いかと目を光らせる。
「誰探してんの?え、好きな子できたかおいおいおーい!」
「違うって」
話しかけつつ俺の卵焼きに箸を伸ばすこいつは竜王誠也。世界展開する「RyuOグループ」の御曹司である。要はボンボンだ。頭も良く帰宅部のくせに各部活のキャプテン達とタメを張って戦えるくらい運動もできる。あぁ天は二物を与えずとはよく言うたものだ。
「じゃあなによそのキョロキョロは」
あ、バレてました?
「朝からおかしかったよ。いつもだけど」
「それは聞き捨てならんなおい」
いつもってなんだ。俺は平凡な人間の・・・はずだぞ?
とその時誰がが後ろの席に座った気配を感じた。誰だろうと後ろを振り向けば
「「あ」」
例の彼女がカレーを手に固まったところだった。
マスクしたままどうやってカレー食べるんだろうか。ガシャとテーブルに落ちるスプーン。泳ぐ視線。そーっと前を向こうとした。
ゆっくり、慎重に・・・
「おい」無理でした。
肩に力のこもった手が置かれ恐る恐る振り返る。マスクの奥にどんな怒りの表情を隠しているのかよくわからないが心なしか肩に乗せられた手が熱い。
「て、痛い痛い!」
「すまん、力が入りすぎた。」
素直に謝る素振りを見せ俺の耳に口を近づけて一言言い放つ。
「放課後屋上に来い。来なかったらわかってるよな」
えぇ、わかっていますとも。死ぬんでしょう? でも、言っても殺されそうな気しかしないのは不思議なものですね。
月曜日の昼は修羅場となりました。
続きます!コメントください!
おもしろいでも、つまらないでも、日本語おかしいでも。なんでもください!後学に致します。