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『スーパーライト三国志演義、俺流解説赤壁の戦いまで』

作者: 馬路キレ子


 昔、中国に四百年も続いた漢っていう国があった。

劉邦りゅうほうっていう人が、頭がまわる天才野郎とか、

パワー馬鹿たちと一緒に、すげー頑張って築いた国だった。

でもその後、色んな事があって、王様がハブられてた。

そん時に王様の代わりに国を動かしてたのは、王様の部下だった。

そりゃもう、王様を言いくるめて思うままに操ってた。

で、ほんと、やりたい放題やってたら、国民が飢えて、不満がボンバーして、国が傾きかけた。

そしたら張角ちょうかくっていう新興宗教が反乱をおこした。


 これには国もぶちきれて、本気出して張角をぶっ潰そうとした。

そん時に出てきた曹操そうそうとか、劉備りゅうびとか言う奴らも

「俺らもやってやろうじゃねえか」って喧嘩に加わって、

色んな人が集まって新興宗教をボッコボコにした。

はい、張角死亡。新興宗教滅亡。


 でも、そんなことがあっても王様は、やっぱり政治の世界ではハブられてた。

そのストレスのせいで、王様は毎日晩酌三昧。

そんな無茶な生活がたたって、王様が死んだ。


 で、王様の息子が新しい王様になる予定だったんだけど、王子は二人いて、

一人は、何進かしんっていう肉屋あがりの将軍の妹、

何后(美人だけど性格が超悪い)が産んだ弁王子と、

もう一人は、王美人(イギリスのダイアナ元妃的な奴)の産んだ協王子だった。

で、王様選びでもめて、すったもんだの末、

それまで国の甘い汁を吸ってた全員は死んだ。

とりあえず王様は、何后の産んだ弁王子に決まった。


 で、涼州りょうしゅうっていう荒地出身の董卓とうたくって人が

時代の尻馬にのって上手い具合にのし上がってきた。

とりあえず気にくわなかったから、自分が偉くなるために、

王様を弁王子から協王子に変えてみた。

そしたら丁原ていげんって言う奴が「なに王様勝手にかえてんだよ」とマジギレした。

でも、そんな丁原も、息子の呂布りょふが董卓の部下に言いくるめられて、

可愛がってた自分の息子に裏切られて死んだ。


 今度は董卓が、王様にかわって色んなことやった。

そんなこんなで董卓に逆らう奴らが多くなって「調子のってんじゃねえぞ董卓」的な感じで

劉備とか曹操とか、色々な不平不満があった人が集まって、

ボンボン育ちで調子に乗りやすい袁紹えんしょうを『とりあえず』ボスにして

董卓をぶっ倒そうと、同盟軍を起こした。


 でも董卓は「とりあえず呂布とか使ってみようかな」って思って

前線守らせてみたけど、見事に馬鹿丸出しちゃんは突破されやがって、

これにマジギレして、今住んでる都会を燃やししつつ、昔の王様の墓を荒らしつつ、

小銭をためながら、自分の近くの田舎に引っ越した。


 都会が燃やされてショックを受けた同盟軍は、「もう董卓とかよくね?」って

やる気なくして、皆、田舎に帰った。

これで董卓は、うっしっし、鼻高々、もう田舎でやりたい放題。

「俺って最強じゃね?」って感じでヤンチャしてたら、

司徒(副総理)の王允おういんって奴の娘の貂蝉ちょうせんに騙された呂布が、

恩があるはずの董卓を、思わず殺しちゃった。


 呂布は強かったけど、女に甘いお馬鹿ちゃんだったので、

部下は凄い仕える奴が揃ってたけど、色々判断ミスやってるうちに、

ドサクサに紛れて王様を救って力をつけてきた曹操に追い込まれて、

最後は部下に裏切られて死んだ。


 で、今度は曹操が、世の中を動かそうとした。

スルーされがちだった王様の一族の劉備は、曹操に嘘ついて、

秘密裏に王様に媚売って曹操を殺そうとした。

でも曹操は頭が良かったから、劉備は逆に殺されそうになった。

とりあえずヘタれな劉備は、部下がバラバラになりながら逃げて逃げて逃げまくって、

荊州けいしゅうにいる同属の劉表りゅうひょうさんとこにお世話になった。


 で、「まあ逃げる奴追ってもしかたねーべ」と思った曹操は、

自分家の近くで暴れまわってた友達の袁紹ちゃんと戦って

最初は頑張ってた袁紹ちゃんだったけど、最後は半べそかきながらストレスの病にかかって死んだ。

袁紹ちゃんの領地は、全部曹操のものになった。


 あ、そういえば、言ってたなかったけど、

南のほうで力を増してた孫策そんさくって言うパワー野郎が死んで

弟の孫権そんけんっていう奴がという国を造って一大勢力を築いてたらしい。


 そんなこんなで、荊州でやる気ねー毎日を送ってた劉備は、

劉表の部下の蔡瑁さいぼうって言ういじめっ子に会って、

殺されるまがいのイジメにほとほと困ったので、とりあえず街に出て友達集めしてた。


 で、街中で徐庶じょしょっていう奴に会った。

頭がキレる奴で、曹操ちゃんが大軍で攻めてきた時には、頭使って超頑張って追い返した。

でも徐庶はマザコンだったから、囚われた母親のために曹操ちゃんの所に向かった。

帰り際に、

「この近くに孔明こうめいっていう天才ニートが居るから訪ねてみな」

って劉備に言った。


 劉備は、

「徐庶がそこまで言うなら、その孔明ちゃんを部下にしようじゃねえか」

と思って、家に押しかけた。


 でも孔明ちゃんは、

「ニートなので働きません」の一点張りで、頭下げてる劉備に向かって、

めんどくさそうに、言い訳して二回も追い返した。


 劉備の義兄弟、

パワーに定評のあるオヒゲの関羽かんうと、

パワーだけの猪野郎の張飛ちょうひは、兄貴が馬鹿にされてマジギレした。

そんで「もうこのままじゃ我慢ができねえぜ」といって

ニート孔明の家に火をつけようとした。


 でも偽善者劉備が止めた。

「とりあえず人の目もあるし、もう一回こようぜ」

って言って、弟達をなだめた。


 ニートの家に頭下げに行く事、三回目。

ついにニート孔明は、田舎から上京した。


 ニートを脱却した孔明は、徐庶が言うように頭が良かった。

曹操ちゃんの自慢のパワー馬鹿たちを、手の上で躍らせるように

ホイホイホイっと頭を使って退けた。

 劉備は、『すげー出来る奴』孔明にぞっこんだった。

関羽と張飛はジェラシーな毎日を送ってたけど

とりあえず頭の良い奴だったので信頼した。


 そしたら今まで劉備たちを囲ってくれていた同属の劉表が死んだ。

荊州は、すったもんだの裏切りの連続で、曹操に降伏した。

いじめっ子の蔡瑁は、曹操に取り入って偉い出世した。


 劉備に何度もやられて、怒っていた曹操は、劉備を殺そうと動いた。

でも逃げるのに定評のある劉備は、逃げた。

なんか世間体を気にして民衆も連れて逃げた。

孔明には「民衆は置いてけ」って否定はされたけど、

これまた幸運にも、パワー馬鹿の趙雲ちょううんとかのおかげで

なんとか安全地帯の江夏こうかって所まで逃げ切った。


 曹操は「孔明怖ぇーから、先に孫権倒せばよくね?」って思って

軍勢を率いて、孫権の住んでるってところに、宣戦布告した。

孫権ちゃんは、キレやすいけど優柔不断野郎だったので、迷いに迷った。

孫権の部下たちは「曹操と戦うべきだ」って奴と、

「いやもう降伏でよくね?曹操強いし」って奴が半々ぐらいで毎日ミーティングしてた。


 そんなときに、呉で大人気の魯粛ろしゅくって人が、

スピリチュアルカウンセラーとして有名だった孔明の噂を聞いて江夏に来て、

「これから呉はどうすりゃいいんだ?とりあえず国に来てアドバイスくんね?」

って感じで勧誘に来た。


孔明は

「この話にのって、孫権と同盟すりゃ、曹操を倒すチャンスじゃね?」

と思って、魯粛の口車にのって呉に行った。


 呉に入った孔明は、いきなり呉のディベート会に呼ばれた。

とりあえず船旅でストレスが溜まった孔明は、誰それかまわず毒舌を振りまいて、

真面目なディベート会を荒らして荒らしまくって、皆をドン引きさせた。


 んで、魯粛の紹介で、気難しくて吐血癖のあるイケメンの周瑜しゅうゆに会った。

周瑜は、呉の国で一人スマップ的なくらい人気がある国民的アイドル将軍だった。

この人は、孫権の兄孫策とも仲が良くて、

この人が「戦争YES」といえばYESだし、「戦争NO」といえばNOとなるぐらい

影響力の強い人だった。


 突然だが、孔明は、頭もキレるが、口もすげー上手かった。

すったもんだ色んな言葉で、周瑜ちゃんの痛いところをついて、

周瑜ちゃんの口から「戦争YES」と言わせた。


 孫権ちゃんは、ついに曹操ちゃんと大喧嘩することを決めた。

濡須口じゅしゅこうの先、赤壁という場所に兵隊を進めると、曹操ちゃんとのガチンコ対決に臨んだ。

孫権ちゃんの国は、すげー栄えていたけど、戦争はあんまり慣れてなかったし兵隊も少なかった。

それに比べて曹操ちゃんは、戦争続きで、もうそれはやる気満々な兵隊揃いで、数も多かった。


 とりあえず孫権は、「このままじゃ勝てないけど、どうすんべ?」って思って、

色んなこと考えた末に、周瑜をリーダーにして、魯粛ちゃんと孔明ちゃんをアドバイザーに添えた。

周瑜は、出来すぎる天才の孔明を嫌ってたけど、魯粛が「まあまあ仲良くしろよ」と

その仲を取り持って、結局、一時的に手を組んだ。


 作戦会議の末、「火」で燃やすのが一番効率が良かったと思ったので、

火を使いたかった二人だったけど、今の季節は風が逆向きで、

例えば火をつけたら、こっちがアッチッチのボォボォで

焼き鳥ならぬ焼き軍隊になっちゃう感じだった。


 周瑜が悩んでたら、孔明が

「俺、風変えれる術知ってるぜ?だから風向き変えればよくね?」

って意味不明の言葉を言い出した。

「なんだこいつ」と思った周瑜だったが、とりあえずやらせてみようと思った。


 その間に、周瑜は曹操の部下に偽手紙を持たせて、いじめっ子の蔡瑁を濡れ衣で曹操に殺させた。

次に周瑜は、国一番の粋なオッサンである黄蓋こうがいさんに、火付け役を頼んだ。

最後に周瑜は、ホウほうとうっていう人に頼んで、曹操の陣地を燃えやすくしてもらった。

これで、風向きが変われば、火付けに必要な準備は全部整った。


 そして孔明が妖しげな術を使い始めて日にちが経った。

孔明ちゃんは、やる気をなくして祈ってた祭壇から降りると、見守ってた兵士達に

「そろそろ風吹くから、おまえらも周瑜のところいきな」っていって

江夏から劉備ちゃんの命令を受けて、迎えに来ていた趙雲と一緒に、江夏に逃げた。


 そしたら風向きが変わってた。

もう周瑜ちゃんは大喜びで、部下に命じて、燃えやすい曹操の陣に向かって、

黄蓋さんの燃えやすい船を突っ込ませて、曹操ちゃんの陣を燃やした。

もうそりゃ、ありえないぐらいにボォボォ燃えて、曹操ちゃんは涙目で逃げ出した。


 これを見て、曹操の前で逃げてばっかりだった劉備ちゃんは、

「ここで仕返ししなきゃ、いつ仕返しできるかわかんねえから、とりあえず嫌がらせしようぜ」

って言って、調子に乗って曹操を追いかけて、イジメられた報復を、これでもかとした。


 苛め抜かれた曹操ちゃんは追い詰められて、命乞いをしてまで逃げていった。

実は内なるドSだった劉備ちゃんと孫権ちゃんは、勝利したことに笑いがとまらなかった。

こうして、赤壁の戦いは終わった。でも実はまだ、三国志は始まってない。



【終】




■あとがき


ライトなものがやりたかった。

桃尻語訳なんたらなんたらを三国志でやるということしか念頭に無かった。演義中心の話ばかりで、歴史観に関しては間違っているかもしれない。

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― 新着の感想 ―
[一言] 愛するが故に、徹底的に小馬鹿にできる。 そんな最上級の愛情をうっかり感じ取ってしまいまして。 さりげなく、口語文の異様なテンポの良さに脱帽してます。
[一言] なんというか、作品以前に小説じゃないでしょ
[一言]   どうもはじめまして。  三国志大好きなふじぱんと申します。   かなり無茶苦茶でしたが楽しく読ませていただきました。  短編だったので異常に早いスピードでしたが、呂布に拠点を取られてし…
感想一覧
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