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探偵ドラマ

 シャワーの水滴が髪を濡らして細い首を抜けて女性の象徴の豊かな胸を通り細く括れた腰から張りのある両脚まで流れると私はサッパリした気分になった。

 長湯をしたせいか少々逆上せ気味だ。


「少しはしたないけどしょうがないよね。暑くて汗止まんないし」


 タオルを巻いて出た。

 居間では自称妹の幼馴染がドラマを観ている。


「あ~ドラマをみるなら私が出るの待っててくれても良かったじゃん」

「お姉ちゃんもこのシリーズ好きだったの?」

「まぁ良いわ。今どんな情況なの?」


『酔いどれ探偵シリーズの四弾目:温泉女将の揺れる乳に朝日が燃える!厭らしい形の野菜が獲れる村の殺人に向かう酔いどれ』


 アクセスの悪い村に温泉が出て2年、村起こしは進む中。

 村はひとつの悩みがあった。

 昔、行き倒れた武士の呪いで村で作る作物は全て厭らしい形に育つのだ。

 大根も人参も長ネギも何故か女の人の様な形で育つ。

 味は良いのだけど農協は村の野菜を扱っては貰えないのでこの村にはレンゴーが存在しない。

 そして不運な事に村へのアクセスは山道の一本道で抜け道が存在しないのだ。

 だから三年前に地質学者をよんで調査してもらって温泉を堀当てた時には村はお祭騒ぎになって地方新聞に取り上げて貰ったほどだった。

 村営温泉の二周年の記念式典で事件は起きた。

 時間になっても中々式場に現れない村長を探していた清掃員の一人が露天風呂で犬神家をしている村長を発見した。

 駐在さんが県警に要請をした。

 宿泊客を大広間に呼んで調書を取るのだけどその中に探偵はいたのだ。


「…………て訳で、今丁度小料理屋で呑んだくれてベロベロに酔った探偵が勢いに任せて電話で容疑者らしき人達を呼び出したところだよ!」


 探偵として一番ダメな奴だ!

 このあとグデグデの展開しかまってねぇ!


「………ところで女神か神隠しで何か情報あった?」


 ドラマは案の定酔っ払ってへべれけに成った探偵がグデグデな推理を披露していた。


「特に情報は無かったけど、みんなのニュースの編集長から電話があったよ」

「なんて言ってた?」


 グデグデの推理にも拘わらず関係者が動揺して女将と第一発見者の清掃員が逮捕されたて終わっていた。


「女神の件頼んだよですって」

「肝心な女神については何か言ってた?」

「それが変なのよね……女神に聞けってねぇ」


 女神の1体を片手に乗せて彼女は眺めている。


「なんか言いなさいよ女神様」


 そんな時折見せる彼女の無邪気さに思わず失笑した。


「お姉ちゃん笑うなんて酷いよ!」

「ごめんごめん!あまりにも可愛かったから……ついね」

「可愛い事をって………ふんだ!今回は騙されてあげる」

「騙されてくれるんだぁ」


 彼女の頭に手を置くとぽふぽふと撫でた。


「ねぇお姉ちゃん」

「なあに」

「その格好ってワタシ誘われてるのかなぁ?」


 話に夢中でタオル一枚だったことを失念していた。

 彼女の指が内腿を撫でるとパチパチと脳が弾ける。


「ふっ………んく」

「ワタシねお姉ちゃんが存在しない生活が嫌だったの……」


 タオルが外れない程度の力で捲られて臍が露になった。

 彼女は臍近くを一舐めする。

 くすぐったくもあったが、それよりもお腹の奥がズッシリと重く痺れて結果声を抑えないとオカシクなってしまいそうだった。


「ワタシね鬱屈した毎日や……チュ……愚節で弁えの無い人々との生活に……レロ……耐えられなかった」

「ん、ふっ………分かったっからっ……」

「そんな人達に嫌気が差していたの」


 タオルがパサリと外れて彼女の頭の上に掛かった。


「………お姉ちゃん」


 私はペタりとその場に座り込み前だけでもと両手を使って隠した。


「もうダメ!おしまい!!」


 彼女の舌技が恐かったのでは無い、このまま続けられたらのめり込みそうな自分の身体の万能が恐かった。

 脱衣場に戻りルームウェアに着替えて廊下に出ると彼女が立っていた。


「………お姉ちゃんごめんね。ワタシ………キモいよね。嫌いに成ったよね……ははは………」

「嫌いになんか成らないよ。………ただちょっとビックリはした」

「ごめんね。自分勝手だって分かってるけど止められなかった。………何処かでお姉ちゃんに赦して貰えるって甘えが有ったんだ」


 彼女を抱き締めるとその瞳に真っ直ぐ目を向けた。


「貴女の気持ちは嬉しいけど、鬱屈した気持ちの捌け口としてなら私は嫌。貴女とは大好きで繋がりたいから………それじゃダメかな?」

「………ダメじゃない!ダメじゃない!」

「じゃあ今度は私から………」





 ━━━━大好きのキスをしよう!




 ●●●●●●●●


 時間不明の夜。


 集積所にゴミを置きに行ったバイト店員が暗闇で何かを蹴飛ばした。

 カシャカシャと鳴る音に驚きはしたがゴミを捨てると職場に帰っていった。


「世の中上手くいかないもんだね」


 真っ黒なカプセルを拾い上げると街の灯りに溶けるように消えていった。


 ●●●●●●●


 その頃の編集長。


「千鳥足で呂律が回らなくなってからが真骨頂よねえ!!」

「へべれけですけど大丈夫じゃ無いっしょ」


 副編集長と楽しくドラマを観てましたとさ。

四話です。


唐突の百合展開です。

大元の要素は無くなりましたがまだ続きます。


ではまた次回。


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