第一話
温暖化のせいか、少し寒いくらいの風が吹いている。
まるで、そんなことは自分たちには関係ない。
そう言っているかのように、みごとに色づいた葉が地面に降り積もっている。
たまに金属音が混じるのは、ここが病院の中庭だからだろうか。
いずれにしろ、すごしやすい午後だ。
そんな庭のベンチに、いかにもこの場所とは縁が遠そうな、二人の男たちが座っていた。
「悪かったな。急に呼び出して」
スーツをだるそうに着た男は、これまただるそうに声
を出した。
「気にしないでいいですよ。ちょうど予定はなかったし、場所、ボクに決めさせてもらいましたしね」
もう一人、ラフな格好をした青年だ。
スーツの男は礼を言って続ける。
「それで、場所がここってことは、彼女か」
「はい、ボクが待ち合わせのこと話したら、ここがいいって。」
男は呆れたようにため息をつく。
「よくやるね、あの子も。もう二年か?おまえらが襲われてから。」
「ボクもそう思うんですけど、聞かなくって」
青年もやれやれという風に首を振る。
「それで、今日はどんな用事ですか。斎藤さん」
斎藤と呼ばれた男は、けだるそうに、だが、はっきりと答えた。
「今日聞きたいことは、悠斗くん、おまえの彼女、今井すずかについてだ」
青年、悠斗という名の青年は静かに落ち葉を見つめている。
つられたかのように斎藤も地面を見る。
不自然な二人の間に自然と冷たい空気が流れている。
描写って難しいね。




