真の先輩と真の背中
マコトは俺の言葉を聞いて、涙を拭いながら答える。
真:「せやなぁ・・・」
:「ほな、よろしく頼みますわぁ・・・」っと―――――。
俺はとっても嬉しかった。
だが、それだけでは、今日という日は終わらない。
なぜなら、今日はマコトとデートをする日だからである。
だから、俺は近くの喫茶店にマコトをエスコートすることにした。
喫茶店に入って座った俺達は、注文をした後にマコトの話を聞くことになる。
マコトの好きだった人は、空手の1つ上の先輩で、マコトが中1の時に空手の試合で頭を思いっ切り蹴られたせいで倒れてしまい、そしてその際に、首をヘンに痛めて亡くなった……らしい―――――。
どうやら、その亡くなった先輩にはマコトがかなりお世話になったみたいで。
「学校での悩み事や、空手で辛いと思ったこと、嬉しかったことや、泣きたいくらい悲しかったこと、、、 どんなことでも話を聞いてくれて、優しくしてくれた・・・」
「そんな先輩のことを今でも忘れることができない・・・」
そう、マコトは俺に教えてくれた。
今も、マコトの中にはいろんな思いが渦を巻いているのだろう―――。
それから、「トイレに行く」と言って席を立ったマコトの背中は、俺にはとても小さく見えたのだった―――――。