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愛の言霊~THE STYX~  作者: 尖角
外伝の章 ―暁の別れ―
93/113

校舎裏というベタなところで

  次の日のことである。


  朝、俺が学校に向かうと、教室の空気はどんよりとしていた。


  理由は後で知ったのだが、ナゴミがサトルに告白したかららしい。


  それも、校舎裏という何ともベタなところで・・・。






  しかし、サトルは断わった。


  ただ単に、ナゴミが好みのタイプじゃなかったからなのか、それとも他に好きな子がいたからなのかはわからない。


  だけど、サトルは確かに断った。


  それは何にも代えられない事実である。
















  そして、この日は一日中、ショウの機嫌が悪かった。


  それは、ショウがナゴミのことを想っているから・・・らしい。


  そのナゴミの告白を新メンバーであるサトルが断ったのが気に入らない・・・らしい。


  しかし、その機嫌も翌日になればよくなっていて、それからしばらくの間は楽しい時間を過ごすことができた。


  まぁ、サトルとナゴミは最初ぎこちなかったんだけど、その感じも時間が経つにつれ薄れていった。



  ――それが、6月上旬のことである。

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