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校舎裏というベタなところで
次の日のことである。
朝、俺が学校に向かうと、教室の空気はどんよりとしていた。
理由は後で知ったのだが、ナゴミがサトルに告白したかららしい。
それも、校舎裏という何ともベタなところで・・・。
しかし、サトルは断わった。
ただ単に、ナゴミが好みのタイプじゃなかったからなのか、それとも他に好きな子がいたからなのかはわからない。
だけど、サトルは確かに断った。
それは何にも代えられない事実である。
そして、この日は一日中、ショウの機嫌が悪かった。
それは、ショウがナゴミのことを想っているから・・・らしい。
そのナゴミの告白を新メンバーであるサトルが断ったのが気に入らない・・・らしい。
しかし、その機嫌も翌日になればよくなっていて、それからしばらくの間は楽しい時間を過ごすことができた。
まぁ、サトルとナゴミは最初ぎこちなかったんだけど、その感じも時間が経つにつれ薄れていった。
――それが、6月上旬のことである。