松平のおばあちゃん
気が付けば、80話を超えていた。。。
こりゃあ、100話超えるねぇ・・・
ここまで読んでくださった人、ありがとうございます。
それでは、81話です。
それから、私は自転車に乗ってショッピングセンターから徐々に離れていく。
そして、着いた場所は私の家から歩いて3分程行ったところにある“はるさき”という名の定食屋。
「いらっしゃい」
そんな静かな声が、店の中に響く。 そして、私の心の中にも。
「あら、久しぶりねぇ」
ここを経営している私の大好きな松平のおばあちゃんが、そう言う。
私は時々しか来ないけれど、おばあちゃんは優しくしてくれる。
それは、本当のおばあちゃんみたいに思えるほどだった…。
松:「どうするけぇ・・・?」
よぼよぼな声で、松平のおばあちゃんが、私に問いかける。
だから、私はその問いに答えるために言葉を発する。
私:「どうしよ?」
:「今日のお勧めは何?」
松:「おすすめぇ?」
:「おすすめは・・・魚の竜田揚げじゃなぁ・・・」
私:「じゃあ、それ頂戴!!」
そうして、私は竜田揚げを食べることにした。
ほどよい熱さ、おいしい味。
やっぱし、ここの定食はおいしい。
だから、私は思うままにおばあちゃんに言った。
私:「おいしいね・・・」
松:「そう言ってもらえると、嬉しいねぇ・・・」
そうした会話をしている時、、、
ふと店にあったテレビから、昨日の殺人のニュースが聞こえてきた。
松:「物騒だねぇ・・・」
:「女の子・・・それも若い子ばかりを狙うなんてほんと最近の・・・」
:「最近のはどんな理由でやってるのかは知らんけど、愛理ちゃんも気を付けなよぉ~」
:「今の世の中じゃ、誰がいつ殺さ――――――――――」
私の頭の中に聞こえたのは、そこまでだった。
『ごめんなさい』
『私がその人を・・・瞳さんを殺したの・・・』
そんな想いが松平のおばあちゃんの声を掻き消したのだった。