ドキドキする行為
私は血の付いたワンピースを脱いで、家から持ってきたワンピースをカバンから取り出して、着替えをし始めた。
と言っても、ここは道路のど真ん中。
いくら通行人はいないと言っても、ドキドキしないはずがない。
私は殺しの熱も冷めないうちに、次のドキドキする行為を始めていた。
だが、そんな話も虚しく着替えはすぐに終わってしまい、殺しの時のような快感を味わえないまま、私はワンピースをカバンの中にしまった。
そして、その場所から家に帰るために、私は遠くの方に見えているバス亭まで歩くことにした。
『時計は、、、車の中にあった時計は、確か12時43分だったなぁ・・・』
っと私は記憶を辿って、時刻表と照らし合わせる。
次にバスが来るのは、17分後。
私は、その17分を《とても長い》と感じることになる。
だって、私のいるこのバス停の数百m先には、私の殺した死体がある。
ばれるかばれないかが、とっても怖かった。
『あぁ、早くバス来ないかな~?』
『早く来てくれないと、私が犯人だってばれちゃうじゃん!!』
私は、心の中でそう叫んだ。
しかし、そんなことを心配していた私は、それから間もなくしてバスに乗り込み、ガタゴトと道のデコボコに合わせて揺れるのであった。