未完成の子供
“ブスッ” っと、釘が打たれたのと同じぐらいの音量の効果音。
しかし、女の悲鳴は増すばかりで…。
私はそれを少しだけ五月蠅く感じながら、お腹を鳩尾から臍の下まで、20cmほど切り開いた。
すると、女は“いヤ゛ァーーーー”という、大きな雑音を私の方へ放つ。
『あぁ、なんて五月蠅いんだ・・・』
私は感じていた言葉を心で呟きながら、あるものを探すために切り口に手を突っ込んだ。
すると、ヌメヌメというのか、グチャグチャというのかよくわからない、気持ち悪い感触が私を襲う。
『なんで、こんなことをしなきゃいけないの?』
心の奥底で、そんな疑問が私に問いかける。
しかし、私は、、、
悪魔は、そんなことなんてまるで聞こえてないかのように、探し続けた。
人の、、、女の腹の中がメチャメチャになるまで永遠と―――。
しばらくして、「いた!!」っと、私は思わず叫び声を上げる。
それから恐る恐る、それでいて確実に、私が殺さなかったら産まれてくるはずだった物を取り出した。
まだ早かったのか、全然泣きもしない…。
よく見ると、手も足も5本に分かれていない。
私は、その未完成の子供を腹から持ち上げて、天に翳した。
しかし、何の反応もなく、まったくと言っていいほど面白くない。
一気に気分の萎えた私は、持っていたものを“ボトッ”と音を発てて落とす。
それから、私は車のドアを開けて外に出た。
しかし、血がベットリと付いている手で触ってしまっため、ドアの取っ手にも血がベットリと付いてしまった。
それは、手に取るように“子供の手”というのがわかるほど、ハッキリとしていた。
『跡を消さなきゃ・・・』
私の心がそう言うので、私はその意に従い、後を消すことにした。