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愛の言霊~THE STYX~  作者: 尖角
第四の視点 part3
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未完成の子供

  “ブスッ” っと、釘が打たれたのと同じぐらいの音量の効果音。


  しかし、女の悲鳴(ボリューム)は増すばかりで…。



  私はそれを少しだけ五月蠅く感じながら、お腹を鳩尾(みぞおち)から(へそ)の下まで、20cmほど切り開いた。


  すると、女は“いヤ゛ァーーーー”という、大きな雑音を私の方へ放つ。


  『あぁ、なんて五月蠅いんだ・・・』


  私は感じていた言葉を心で呟きながら、あるものを探すために切り口に手を突っ込んだ。


  すると、ヌメヌメというのか、グチャグチャというのかよくわからない、気持ち悪い感触が私を襲う。


  『なんで、こんなことをしなきゃいけないの?』


  心の奥底で、そんな疑問が私に問いかける。


  しかし、私は、、、


  悪魔は、そんなことなんてまるで聞こえてないかのように、探し続けた。


  人の、、、女の腹の中がメチャメチャになるまで永遠と―――。
















  しばらくして、「いた!!」っと、私は思わず叫び声を上げる。


  それから恐る恐る、それでいて確実に、私が殺さなかったら産まれてくるはずだった物を取り出した。


  まだ早かったのか、全然泣きもしない…。


  よく見ると、手も足も5本に分かれていない。


  私は、その未完成の子供を腹から持ち上げて、天に(かざ)した。






  しかし、何の反応もなく、まったくと言っていいほど面白くない。


  一気に気分の萎えた私は、持っていたものを“ボトッ”と音を発てて落とす。



  それから、私は車のドアを開けて外に出た。


  しかし、血がベットリと付いている手で触ってしまっため、ドアの取っ手にも血がベットリと付いてしまった。


  それは、手に取るように“子供の手”というのがわかるほど、ハッキリとしていた。


  『跡を消さなきゃ・・・』


  私の心がそう言うので、私はその意に従い、後を消すことにした。

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