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慎重かつ大胆に
それから、しばらくの間、、、
と言っても、3週間程だが、私は人を殺さなかった。
女子高生や、可愛い子、綺麗な子に会うと、私は目を閉じた。
心の中で笑い続ける“あいつ”が怖い…。
いつ、どこで“私”という殻を破って出てくるのか?
―――全く想像できない。
私は自分が恐ろしかった。 私という名の悪魔が…。
しかし、今日は5月14日。
ちょうど、おにぃちゃんが死んだ日の10日前…。
だから、私は約束を守るために、、、
嘘をつかないようにするために、また人を殺すことを決意した。
だが、今は世間が、女子高生殺人について、《どんな人が殺したのか?》《次もやるのだろうか?》と気にしている頃、、、
迂闊には行動することはできない。
しかし、派手にやらないで、何の意味があるだろうか?
心のどこかで、そう思った私は、慎重かつ大胆に人を殺すことにした。