ハサミを片手に
自転車に乗っている2人の女子高生のうち、私から見て左の方の…。
私とすれ違う方の女の子の方に、私は目を付けた。
可愛さは、中の上。
特別に可愛いわけじゃない。
それでも、殺す対象としては十分だった。
だから、私はすれ違う瞬間に、タイヤの前輪部分を思いっきり蹴っ飛ばした。
蹴られた女は、隣の女を巻き込みながら、“ガシャン”という音と共に倒れ込む。
2人とも、「痛い」という声を上げるが、私には関係ない。
そして、自転車を蹴られた女は「何すんのよ!?」「ほんと、最近の子は!!」とあきれ気味に言う。
私は嗤った。 ニヤリと―――。
だってあまりにも可笑しかったから、、、
そこで、私の手の中には煌めく刃が1つあった。
「何こいつ?キモチワルッ!!」 右側の女の子はそう言った。
けれど、そんなの私には関係ない。
だから、迷わず左の女の首にハサミを突き刺した。
“プシュッー!!!” 辺りに勢いよく血が降り注ぐ。
私の体にも、右の女の体にも血は降り注ぐ。
悪魔は何のためらいもなく、“殺し”を実行した。
迷わない精神…。それは、次の行動を起こすことを決める。
刺された女は何が言いたいのか、必死に口を動かしている。
だが、穴の開いた首から、“ヒューヒュー”と音が漏れるだけで、こちらには何も伝わらない。
右の女は、涙を浮かべていた。
それは、私の殺しへの恐怖からか、友達への恐怖なのかはわからないが、それは確かに浮かんでいた。
口からは、「キャーーーー」と、いかにも女の子らしい声が漏れる。
私は、そんな風に叫ぶ右の女に、じわじわと近づいて行く。
『あぁ、足を引きずりながら逃げる様が何とも言えない・・・』
しかし、怖くて足が、、、手がうまく動かせないのだろうか?
もつれるばかりで、全然逃げることができていない。
「アハハハハ!!!アハハ!!!!」 私は面白くって笑った。
そして、今度は右の女にハサミを大きく振りかざした。