我慢と決意
帰りの会が終わり、家に帰ることになった。
“テクテク・・・テクテク・・・”
そうやって、家に向かっていると、ある女子高生とすれ違った。
“ウズ・・・ ウズ・・・”
そうやって、私の心が『殺したい』と反応を示す。
「何を“我慢”してるの?」
狂気が私に、そう問いかける。
「私は長い間待ったんだよ?なんで殺さないの?」
続けて、そう言葉を連ねる。
「ダメだよ!」 「まだダメ・・・」
「殺すのは木曜にするって決めたんだから・・・」
私は自分の決意を心に告げる。
しかし、狂気は、それを聞こうとはしなかった。
「ばっかじゃないの?」
「そうやって、逃げてばっかで・・・」
「その手に持ってるハサミで殺しちゃいなよ!」
そう言って、狂気は笑って見せる。
《――手に持ってるハサミ――》
私は、その言葉を心の中で反芻する。
『私は、手にハサミなんて持ってないけど?』
そう思っては良いが、しっかりとその手にはハサミが握られていた。
『え?なんで私の手に?』
そう思ったと同時に、私は手に持っていたハサミを落としてしまう。
だって、筆箱の中に入っていたものが、出してもいないのに手の中に…。
ビックリしないはずがないじゃない! この1つを除いてね…。