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愛の言霊~THE STYX~  作者: 尖角
第四の視点 part2
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白と黒の狭間で

  私は怖くなって寝ようとした。


  しかし、体が“ガタガタ”と震える。


  『怖い・・・怖い・・・』と体が悲鳴を上げる。


  『嫌だ!!!』 そうとも、叫んだ。


  現実から、兄という呪いから逃れたくて、


  『世界(スベテ)から逃れたい』と、体が悲鳴を上げる。


  私はずっとずっと、怯えていた。


  怖くて、長い間眠れなかった。


  しかし、気が付くと私は眠っていた。











  目が覚めると、現実は朝だった。


  時計を見ると、時刻は7時半。


  『よかった・・・』 『学校に間に合う・・・』


  そう思いながら、私は急いで学校への支度を始める。


  しかし、服を出そうとした時、そこには私の見たことのないワンピースがあった。


  「なに・・・?これ・・・?」


  私は、そうやって疑問を口にする。


  しかし、疑問を口に出したところで、答えが出てくるはずもない。


  いつも私が着るのは、白のワンピース。


  目の前にあるものは、黒のワンピース。


  箪笥を開けても、クローゼットの中を見ても、どこもかしくも、黒・黒・黒!!


  私が持っていたはずの数十着のワンピースが、どれも変わっていた。


  今までは、じっくり見ないと違いも分からないような、純白のワンピースだった。


  ただ、それがオシャレか、オシャレじゃないかの違いなだけで、全て真っ白だった。


  しかし、今目の前にあるのは、黒のワンピースだけ。


  私の持つ全てのものが、白から黒に変化した今、私は怖いながらも、仕方なくそれを着る他なかった。

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