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止まらないドキドキ
21時47分、、、
ほたるが風呂から出てきて言う。
「お風呂、ありがと・・・」
「お湯が冷める前に入って・・・」と―――。
それに続いて、オレは「わかった」とそっけなく言う。
その理由は、とてつもなくドキドキしていたから。
だって、好きな女の子が自分の家の風呂に入ってるんだぞ?
そんなんで、ドキドキしない男なんて、男じゃねぇよ!!!
そんなことが、理由だった。
オレはそんな気持ちを隠しながら、「暇だったら洗濯頼めるか?」と言う。
ほたるは一瞬、「え!?」と戸惑いを見せたけれど、「別にいいよ」と了承してくれた。
オレは、その後、心の中で「ありがとう」と言いながら、服を脱いで風呂に入った。
ほたるの後ということで、いつもと違う風呂になった。
それは、ドキドキが止まらないのだ。
『なぜだ!! 止まれよ!!止まれよ!!』
そう、心で叫び続けることも虚しく、オレの心音は、湯につかっても大きくなることを止めようとはしなかった。