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家族という存在
私はお風呂から出ると、体を拭いた。
そして、水滴がなくなった頃、私はタオルを洗濯機に入れた。
私の家族は、おにぃちゃん以外に誰もいない。
なぜいないのか?いつからいないのか?、、、
そういったことは全然わからない。
ただ、何処にもおにぃちゃん以外の家族の姿がないのだ。
アルバムにも、私の心の中にも、、、
だから、私は洗濯機だって、料理だって、何でもできてしまう。
おにぃちゃんは、私が2歳の時に死んでしまった。
けれど、おにぃちゃんは、私の心の中で、今も尚生きていると信じている。
その理由は、私はおにぃちゃんが大好きだった。
正直、2歳の時の記憶なんて曖昧で、よくわからない。
けれど、私はおにぃちゃんが大好きだった。
だから、私がおにぃちゃんのことを信じて、“生きている”って思わないと、ダメなんだ。
私は何故か、そんなことを思っていた。