ねじ曲がった思想
だから、私はおにぃちゃんのために人を殺すことにした。
今はもう記憶にない、アルバムの中のおにぃちゃんのために…。
『最初はどんな人にしようかなぁ?』
『やっぱり、おにぃちゃんみたいに女子高生にしようかな?』
『どうしよう、、、?』
『よーし!!決めた!!』
『次は殺し方かな?』
『ナイフで何度も刺す?』
『ダメだ、、、それだけじゃ足りない』
『前よりも、もっと酷いやり方をして、もっとすごいおにぃちゃんを再来させるんだ!』
愛理の考え方は、ねじ曲がっていた。
兄を想うが故、さらに酷く殺人を犯す。
恐怖の兄を再来させるために…。
しかし、愛理はわかってなどいなかった。
殺し方を変えてしまえば、警察が追おうとする犯人像も変わってしまうということを。
しかし、そんなことはどうでもよかったのだ。
なぜなら、全ては兄のため…。
殺人を犯すこと自体が、兄のためだと思い込んでいたのだから。
「待っていてね、おにぃちゃん、、、」
「すぐに復活させてあげるんだから!!!」
その考えが裏目になることを知らない愛理は、この後家を出ることにした。