栗色の髪
幼馴染の定義がいまいちです(笑)
しかし、しばらくの間、部屋にいたどちらも口を開くことはなかった。
ただただ黙って見つめ合い、時間だけが過ぎて行く、、、
そんな沈黙を最初に破ったのはほたるの方だった。
ほ:「ごめんね?」「急にさ…」
:「あれから“謝りたい”って何度も思ったんだよ?」
:「でもなかなか話せずにいて…」「本トにごめんね…」
:「あの時は…いやっ、あの時じゃなくてもケンカして悪かったのはいつもあたし…」
:「でも、そんなあたしをあんたは…さとるはいつもかばってくれたよね…」
:「どんな時でもあたしを想って謝ってくれたよね…」
:「けど、そんなさとるの態度に気付かないでバカみたいに振る舞って…」
:「いつも…いつもさとるわぁ~」
ここでほたるはオレに泣き付いてきた。
オレはそんなほたるの肩をそっと寄せて、綺麗な栗色をした髪を撫でた。
それからしばらく部屋には泣き声だけが響いていた。
俺:「ありがとう」「そして、やっぱりごめん」
:「昔さ、、、オマエを泣かせないって約束したこと覚えてるか?」
ほ:「ううん…覚えてない…」
:「けど、さとるは優しいから、きっとそう言ってくれたんだと思う」
:「あたしは好きだよ…さとるのこと」
オレの脳にその言葉はしつこい油のようにこびりついた。
オレはオレの中で高ぶる感情を必死にこらえ、話を変えるためにオレは言った。
俺:「ところで…ところでオマエは何しに来たんだ?」
その言葉を聞いたほたるは一瞬何とも言えない表情をして、オレの質問に答えた。
ほ:「実は…どこから話せばいいのかわからないんだけど、単刀直入に言うなら命を狙われているの…あたし…」
俺:「えっ?」
そう、オレはただ漠然と一言だけ発した。
そして『こいつ気でも狂ったか?』っと思った。
そう思うしかなかった。
だって命を…って受け狙いなのか?
そんなことを思っている矢先である。
ほ:「その目…信じてないよね…?」
:「さとるなら…さとるなら信じてくれると思ったのに…」
『―――――。』
どうやらほたるは本気で言っているらしい。
だからオレは、それから日が落ちるまでの時間、ほたるの話を聞き続けた。
話が終わり、オレは席を立った。
そして部屋にカップ麺と冷凍食品のから揚げを食べれる状態で持ってきた。
俺:「まぁこんなのしかないけど食えよ…」
ほ:「ありがとう」「本トにありがとう」 潤む目がやけに可愛かった。
オレはそんなことを思いながらから揚げを1つ取って話し始めた。
俺:「結局、オマエはある少女に命を狙われているってことだよな?」
ほ:「うん…そういうこと…」
:「でも本トに女の子かどうかはわかんないけど…」
俺:「そうだよな…」
:「少女とは電話で話しただけで、声を変えられてたら誰かわかんねぇもんな」
オレはそう言いながら『昔、ほたるとのケンカで勝ったことは一度もなかったけど、今は普通の女の子なんだよなぁ…』っと思いに耽、ラーメンをすすった。
好きなラーメンは醤油と豚骨です。