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愛の言霊~THE STYX~  作者: 尖角
第一の視点 part2
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無邪気な声

俺にも、無邪気な時があったのだろうか?

  幼馴染のほたるの声…。


  その無邪気な声も、悲惨な状況の前では無に帰した。






  部屋中に散らばった血を見て、ほたるの顔から笑みが消える。


  その顔は次第に涙を浮かべた表情になり、ほたるは数歩後退(あとずさ)る。


  本田は、女の子…。


  ほたるの姿を見て、ふと我に返り、部屋から慌てて逃げ去った。


  その後、ほたるの絶叫…。


  「うわぁーーーーーーーーーーーーーー」っという、幼い女の子の叫び声を聞いて、外にいた人が家の中に入ってきた。


  その人も、家の中の状況を見て数歩後退る。


  しかし、オレ達子供とはさすがに違い、すぐに目を覚まし、持っていたケータイで119番…。


  すると、そんな状況の中、オヤジはズタズタにされた体を引きずって、オレの下にやって来て言った。


  「今から言う2つのことを忘れるなよ」


  「まず、こいつが悪いと思っても………」






  そして、その2つのことが、オヤジの最後に残した形見(ことば)になった。


  オヤジの死に、オレと一緒になって泣いてくれるほたる。


  オレが辛い時には、傍にいてくれて、オレを支えてくれた。


  そのことに対し、オレは一度も礼を言ったことがない。


  オレは過去から現在に意識を戻し、ゆっくりと口を開けた。






  「心配するなよ!」


  「オマエはオレが守るから…」


  「昔オヤジが死んだ時、1人になったオレの隣にオマエがいたように、、、」


  「ずっとずっと、オレはオマエの傍にいる」


  オレはそう言った。


  静かに、ほたるの瞳をじっと見つめながら…。

次回は第三の視点です。

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