恐怖は足を止める
ジェットコースターのような絶叫系はOKですが、
お化け屋敷のような恐怖系はどうも苦手ですね。
それは、憎悪を心の底から抱いたような声だった。
しかし、オヤジはそんな声に負けない力強い声で言葉を放つ。
「俺は裏切ってなどいない!」
「お前の犯行に足が残っていたんだ!!」
「俺は断じて警察などに言っていない!」っと―――――。
その後、オヤジはオレに向かって一言だけ言った。
「逃げろ…」っと―――――。
しかし、幼いオレは、足を全く動かすことができなかった。
恐怖、、、
これが幼きオレの足を止めたのだ。
しかし、そんなオレを本田は気にしなかった。
泣きじゃくるオレの前で、何度も何度も何度も何度もオヤジを刺したのだ。
「俺は被害者なんだよ!」
「俺は何も悪くない!!」
「お前の所為で!!!!」
「オマエノセイデ!!!」
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そして、こんな悲惨な状況の中に彼女は現れた。
“ブス”
“ブス”
“ブス”
―――
その虚しい音が部屋に響く中、、、
「さーと-るぅー」「あーそーぼぉー」という声を携えて…。
幼い無邪気な声…。
なんだか、かわいそうです。