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愛の言霊~THE STYX~  作者: 尖角
第四の視点 part5
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2人のおにぃちゃん

  警察が無力だからかはわからないけれど、とりあえず私は警察に捕まらずに今を生きている。


  そして、そんな私が次に殺そうとしている標的は●●高校の川中ほたるさん。


  4週間前に近所で出会い、助けてもらった。


  っというよりも、助けるように仕向けさせたという方が正しいのだけれども・・・。
















  私は今、受話器と電話帳を手に取って電話をかけている。


  そして、向こうが電話に出る音がしたので私は声を発した。


  「もしもしぃぃ?」 っと―――。


  そして、それに付け加えてもう一言。


  「おねぇちゃんは元気にしているぅ?」 っと―――。



  なぜそのように声を発したかというと、ほたるさんは慧さんという彼氏の家にいて、私はその慧さん家に電話をかけたからだ。


  私はいつでもちゃんとおねぇちゃんの居場所を把握している。


  私から逃げることなんて許されないのだ。


  でも、そんな私から逃げれると思ったのだろうか?


  実際、ほたるさんは慧さんの家に行っている。


  まぁ、いいだろう。


  そこにも私の手が届くということを今から証明するのだから・・・。











  しかし、私が声を発してから全く返事(こえ)が返ってこない。


  私はもう少し大きな声を出すことにして言葉を追加した。


  「ねぇ、聞いてるぅ~♪」 っと―――。


  そして、さらに私は追加した。


  「おにぃーちゃん!答えてよ!!」


  「自殺なんか・・・」


  「私に怯えて自殺なんかしてないよね? おねぇーちゃんはっ!」 っと―――。



  すると、なぜか私の頭にある人の顔が(よぎ)るのである。


  それは“私のおにぃちゃん”の顔・・・。


  だけど、慧さんと私のおにぃちゃんの顔は全然似ていない。


  全くと言っていいほど、似ても似つかない。


  『じゃあ、なんで(よぎ)ったのだろう?』


  私は少し考えた。


  だけど、答えはよくわかんない。


  でも、私が思うに、慧さんの事を「おにぃちゃん」を呼んだことに関係があるんじゃないかと思う。


  だけど、私に殺人をやめて欲しくて、おにぃちゃんが私の前に現れたとも考えられる。


  でも、私は思った。


  それだけは絶対にないと―――。


  だって、おにぃちゃん自身が妹である私に人殺しを頼んだのだから・・・。


  だから、私は心の中で『後者の考え(それ)はありえない!』と決めつけた・・・。

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