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黒の冥王  作者: 紅梅
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口説き落とせるように

「この世界には、2つの大陸がある。一つは、レウィーゼ大陸。もう一つは、ヨハムル大陸。この、ヨハムル大陸は小さい大陸で一つの国だけしかない。シシレイ王国っていう名前なんだけど、凄く閉鎖的な国で詳しい情報はないんだ。分かっていることは、この国には他の国には決してない知識が山ほどあるってことくらい。で、この大陸・・・つまりレウィーゼ大陸には二つの大きな国といくつかの小さな国がある。一つはここ、ヨームルダン帝国。もう一つは、本来ラシュがいるはずの国でライウィン帝国。小さい国々は、よく名前が変わるから説明はなしかなぁ」

 

 クリスの、最後の説明になんと言っていいのか分からず適当に相づちをうった。

 

「それで――――――」

「失礼いたします。おはようございます、殿下。朝食の用意ができておりますのでどうぞ。あぁ、ラシュ様達もいらしていたのですね。見たところ朝食が、まだなようですので皆様もご一緒にどうぞ。――――ところで殿下、そちらにいらっしゃるお嬢様はどこのどちら様でしょうか?」

 アオイから見て四十代前半くらいの女の人が、クリスの説明を遮って部屋に入ってきた。

(アンジェっが王子だから、この人は侍女っていう役職の人かな?)

 

「リサーナか。おはよう。いきなり入ってこられて、俺はかなり驚いたんだが?」

「あら、いつもは気づいていらっしゃるではありませんか。クリス様、真夜中を少し過ぎた頃に大きな魔力がいきなり神殿に出現したようですけれど、そこのお嬢様と関係がございますか?」

 先ほど“リサーナ”と呼ばれていた人物は、クリスの方へと視線を移動させた。

 

 

「よく知ってるね」

「このことは、わたくし以外の者でも知っていますよ。あんなに大きな魔力を感じることは滅多にありませんから」

「あはは。だよねぇ。彼女は、ボクが女神ユリエルに願って召還された伝説の花嫁の、アオイ・ヒノ」

「まぁ!! とうとう殿下に奥様ができるんですね!! お初にお目にかかります、わたくしはこの王宮の侍女頭を務めさせていただいているリサーナ・マーレルと申します。わたくしのことは、リサーナとお呼びください、アオイ様」

 

「は、初めましてアオイ・ヒノです。あの、まだ私アンジェの奥さんになると決まったわけじゃないんです・・・・・・」

 アオイは、リサーナの“殿下に奥様ができる”という発言に対し顔を引きつらせていたが、全然リサーナは気づいていなかった。

 

「そうなんですか!? まったく、殿下は何をしていらっしゃるんですか!? こんなに可愛らしいお方はそうそういらっしゃりませんよ!?」

「分かってる。これから徐々にアオイを、口説き落としていく計画だから安心しろ」

「まぁ! それなら、安心です」

「えー!? そーなの!?」

 

 リサーナとアンジェの会話を聞きながら、

(きっとアンジェって、リサーナさんに頭が上がらないんだろうなぁ)

 などと思っていたのだが、アンジェの言葉を聞いて考えていたことがどこかへ飛んで行ってしまった。

(私を口説き落としてく計画!? なんでそーなるの!? どうやったら、そんな考えに行き着く!?)

 

 

 

「バーカ。アンジェにアオイを口説き落とさせるわけないだろ?」

 ラシュは優しい瞳でアオイを見る。

 

 

(救いの神が現れた!!)

 と、内心喜んでいたが、

「アオイは、俺が花嫁にもらうって決めたんだからな」

 見事に、ラシュはアオイの予想を裏切ってくれた。

(なんでそーなるんですか!?)

「ってことで、アオイを口説き落とせるように頑張るかな」

 

「待て。アオイを自分の花嫁にしたいと思ってるのは、お前達だけじゃないぞ。俺も、アオイには悪いが本気で俺の花嫁としてアオイが欲しくなった。だから、口説き落とさせてもらう」

「ボクも、アオイが本当に欲しくなったから落とすよ」

「俺だって負けないからな!!」

「何言ってるんだ!! 僕がもらう!!」

 

 アオイは、アンジェ達の言葉に先ほどの顔の引きつりより数倍顔が引きつっていた。

「あのーみなさん?なにをそんなに―――――」

「アオイ様は、来て早々人気ですねぇ」

 リサーナののんきな発言に、アオイはがくっと肩を落とした。

(元はといえば、リサーナさんの発言のせいなのに・・・・・)

うーん

世界の説明が、まだ全然出てない。


次回か、その次に回そう!!

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