ちょっとした後悔、それからの
本編の更新は無理でした(泣)
ですが、番外編だけは書けましたので更新します。
これが、今年最後の更新です。
いつも以上に、内容がよくわかりません。ごめんなさい。
ある日のお茶の時間。出席しているのは、ナツメとグレースだ。レーゲン達は、コニーデに厨房までお使いと頼まれ出かけていて不在だ。和やかな雰囲気は、アオイがボソッと発した一言で壊れた。
「メイド喫茶に行っとけば良かった」
という言葉だ。この世界に、“メイド喫茶”という単語に反応できるのはただ一人、ナツメだけだ。そんな彼は、アオイの発言を聞いて飲んでいたお茶を吹き出しそうになり、ゴホゴホと咳き込んでいた。しかし、言葉の意味が分からないカイン達は首を傾げている。
「・・・・・・何で、いきなりメイド喫茶? どうした、アオイ」
「いきなりじゃないよ。この世界に来てから、コニ達を見ててずっと思ってたんだ。地球で、行っとけば良かったなって。ここじゃ、メイド喫茶のメイドさんの格好って見れないじゃん」
「いや、そうかもしれないけどな? いきなりすぎるだろ」
「心で思ってたことが、自然と口から出ちゃったの」
「だからってな・・・・・・」
「ちょっと、待ってくれないか?」
アオイとナツメの会話に、グレースが無理やり割り込んできた。こうでもしないと、この二人は話を聞いてくれそうにないからだ。
「どうしたの?」
「姫さん達が言ってるのって何だ? オレ達には、理解できてないんだけど」
「あ、そっか。うーん、コニが着ているような服のスカート部分をもっと短くして働いている女の人達がいるところ?」
「いや、疑問形で言っちゃダメだろ。まぁ、かなり省いて言ってるけど、大体は合ってるだろ」
「あぁ、そうか。姫さんが“ここで見れない”ってそういうことか。確かに、この城の侍女たちの制服は、スカートが長いからな」
「そう! そうなの! だから、ダメなんだよね。一回でもいいから『お帰りなさいませ、ご主人様』って言ってもらいたかった! 漫画とかで知ってから憧れてたの!」
そうバンバンと座ってる長椅子の肘置きを叩いて主張した。
「なのに、ナツメたちが止めるから!」
「どう考えたって、あの時のアオイだったら絶対通い続けるだろ!」
「分かんないじゃんかー。ねぇ、グレース」
「そう言われてもなぁ? 姫さんの性格からすると、飽きるまで通い続けそうだしなぁ」
同意を求められ、困ったように笑いながら答える。しかし、その答えにアオイは当然満足しなかった。それは当たり前だろう。同意を求めたはずなのに、ナツメの肩を持たれたのだ。
「ひどいなぁ、グレースってば。あ、いいこと思いついた」
「なんだ? 姫さんの良いことって」
「秘密だよ」
次の日からしばらくの間、コニーデはアオイが部屋に戻ってきたら「お帰りなさいませ、ご主人様」というようになった。これが、アオイが考えた良い考えだ。コニーデも、アオイは自分の主人なのでこれも間違えではないという考えから、ノリノリで楽しそうだった。
そして、コニーデばかり褒められて嫉妬をしたグレースはアオイに「コニーデばかりずるい。自分も何かないのか」と詰め寄った。
結果、グレースはしばらくの間、アオイよりも先回りして部屋に戻り「お帰りなさいませ、お嬢様」というようになった。これにもアオイは大満足していたのであった。
ナツメは、もはや何も言わなかった。
アンジェ達も不思議そうにしていたが、ナツメから事情を聞きアオイが楽しいなら良いかということから何も言わなかった。
皆様、来年も黒の冥王をよろしくお願いします!
では、よいお年を!