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黒の冥王  作者: 紅梅
47/49

始めまして、女王様

加筆修正しました。


ギリギリセーフですか!?

まだ、11月ですよね!?


パッと書いて、パッとあげてしまったので、後日修正などを行う可能性があります。←

「お待ちしておりましたわ、我が愛しの君。妾がシシレイ王国が主、サンドラ・シシレイと申します。我が愛しの君、アオイ様にお会いすることができて、とても嬉しく思います」

 闇の回廊を抜けた途端、このような挨拶でアオイは迎えられた。おそらく、サンドラの視界にはアオイしか入ってないのではないかと思えるぐらい、他の周りの人間のことを無視している。

「えっと、サンドラさん?」

「我が愛しの君が、妾を“さん”付けで呼ぶ必要はありませんわ。どうか、“サンドラ”と呼び捨てで呼んでくださいませ」

「姫様、諦めて敬称を付けずに呼んであげてください」

「はぁ、分かりました。では、サンドラも私のことを名前で呼んでください」

「無理です。この人には、それは無理なお願いというものです」

「えぇ、無理ですわ。諦めてくださいませ。それと、敬語も必要ありませんわ」

「えーっと、分かった。ところで、スラーセルとはどういう関係なの?」

「まぁ! この男はちゃんと自己紹介をしていなかったのですね」

 キッとサンドラは、スラーセルを睨みつけた。睨まれた本人は、睨まれてもどこ吹く風だ。それでも無言で睨み続けるサンドラに、両手を合わせて「ごめんなさい」と謝った。

「謝らなくてよろしい。その代わりに、我が愛しの君にきちんとご挨拶なさい」

「はいはい。姫様の目の前にいるサンドラの夫のスラーセルです」

「へぇ。そうだったんだ」

「そうだったんです。まぁ、私は婿入りなんで発言力とかはそんなにないんですけど」

 アオイの隣から離れ、スラーセルはサンドラの隣に移動をする。



「それで、ここがシシレイ王国なんだよね」

 少し、周りを見渡すと真正面に何段か階段があり、一番上に豪勢な椅子みたいなものがある、アオイは、これを玉座だろうと思った。しかし、サンドラがいるのは玉座ではなく、階段から降りたところ、つまりアオイと同じ目線にいるのだ。


(普通、王様って玉座に座っているものじゃないの? それってもしかして、小説の中だけとか? あ、確か歴史とかでも玉座的な者に座っている人と、それよりも下の位置に立っている人みたいな感じの絵があったような気がするんだけど。

でも、玉座があるってことは、普段は座ってるってことだよね)


「サンドラって、あの椅子に座ってなくてもいいの? 女王様でしょ?」

「妾が、貴方様よりも高い所に座ることなどありえませんので。そんなことは、死んでもできまえん。・・・・・・あぁ、あなた方がアンジェ殿下たちですね。お初にお目にかかります。我が名はサンドラ・シシレイ。」

「はい。初めまして、サンドラ陛下。我が名は・・・・・・・」

「自己紹介は、しなくても大丈夫ですわ。皆様の、名前などは把握しておりますので。そして、そちらがグレース・アンバーチェとテネーブル・エーヌの元飼い犬共ね」

「飼い犬って・・・・。ヴァルトたちはそんなんじゃないよ?」

「いいえ。元飼い犬で十分ですわ。よりにもよって、所属していたのがテネーブル・エーヌです。いつ、再び我が愛しの君に刃を向けてくるか分かりませんもの」

「私達は、我が君にこの命を捧げると決めた」

「だから、再び我が君に刃を向けることなどあり得ない」

「もしも、テネーブル・エーヌの人間が我が君を襲ってきたのなら、全力で迎え撃つ。我が君のためならば、命だって何だって懸ける」

 真剣な眼差しで、サンドラを見つめるレーゲン達。それに、サンドラはため息をついて何かを考えるかのように、視線を下にやった。しかし、顔を上げた時には鋭い眼光でレーゲン達を見つめ口を開いた。

「良いわ。あなた達を、認めましょう。でも、もしも我が愛しの君を傷つけたならば、その時は妾があなた達を八つ裂きにしてさしあげましょう」

 それを聞いて、アオイはほっとした。認めないと言われたら、どうしようかと思ったのだ。しかし、サンドラの眼差しに何かを感じたのか、グレースが突然アオイを片腕で抱き込み、剣に手をかけ警戒をしていた。シュネ達も、剣に手をかけアンジェ達を守るかのように前へ進み出ていた。



「ふふ、我が愛しの君は、良い護衛をお持ちのようですね。しかし、これだけは言っておきます。この妾が、我が愛しの君を傷つけるようなことをするわけがありません。それは、アンジェ殿下達にも言えることですわ。もし、殺すつもりで呼んだのだったら、闇の回廊を出てきた瞬間に何らかの手段を用いて殺すに決まっていますもの」

「それに、私もまとめて殺されちゃいますよ」

 それでも、グレース達は警戒を解かない。警戒されている当の本人は、「まぁ、困りましたわ」と本当に困っているのか分からない笑みをしていた。その笑みを見たスラーセルは、見なかったことにするとでも言うように顔を背けた。

「大丈夫。サンドラは、信用できる人だよ。なんでこう思うのか、全く分からないんだけどね」

 アオイは、そう言ってグレースたちに警戒を解いてもらった。こちらは、本当に困ったような表情をしている。

「全く貴方様ときたら。お変わりになっておられませんのね。さて、そろそろ皆様を部屋の方へ案内させましょうか。あぁ、晩餐を一緒にと予定させていただいていますが、よろしいでしょうか? 我が愛しの君」

「良いよ。その方が、私も嬉しい」

「あぁ、その言葉この上なく嬉しいですわ。身に余る光栄です、我が愛しの君。今から楽しみで仕方がありません。そうですわ! 料理をもっと豪華にしてもらいましょう」

 両手を胸の前で組み、目を輝かせてアオイを見てくるサンドラは少し、いやかなりおかしい人間に見える。だが、ここにはそれを気にする人間はいない。なぜなら、同じような人間しかいないからだ。むしろ、『オレのアオイをそんな目で見てんじゃねぇ!』とでも言いそうな思考をした人間しかいない。

(なぜ、私の周りにはこういう人種しかいないんだろうか? 類は友を呼ぶって言うけど。いやいやいや、そうしたら私が呼び寄せているみたいだ。違うぞ、断じて違う!)

 アオイは、考えるのを諦めた。どう考えても、分からないからである。


見事に、アンジェ達が空気と化しました。

彼らのファンの方が、もしいらっしゃいましたら、ごめんなさい、謝ります!

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