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黒の冥王  作者: 紅梅
3/49

知りたくなかった現実

申し訳ございません!!

加筆を行ったところ“始まりと出会い”と同じ内容になっていましたので訂正させていただきました。

最初と違う部分はありますが、それほど内容変更はされていないと思いますので安心してお読みください。

アンジェが寝台から降りたので、私も降りなきゃだよねっと思っていたら体が、フワリと浮いた。

(あら、不思議。体が勝手に浮いてるわ)

 なんて驚いて上を見ると、アンジェの顔があったので彼が葵を抱き上げたと言うことは理解した。

 理解はしたけど、

「あのー? 私、歩けるんですけど?」

 正直葵は、歩けるのだから歩きたいと思って言ったのだったがアンジェは、

「気にするな」

 そう言って歩き始めた。

 

(なんだと? 今、“気にすんるな”って言ったよね? 気にするに決まってるじゃん!! 私は、うら若き乙女だぞ!? 乙女が、異性に抱き上げられて気にしない方がおかしいだろ!!)

 心の中で、あれやこれやと言いまくっていたらいつの間にか隣の部屋に着いていたようだった。

 部屋の中を見渡してみると、広い・・・・広すぎる。

 口を開けてポカーンとしていたら、その姿を見たらしいアンジェは鼻で笑った。

(コイツ、人のことを鼻で笑ったよ。ムッキー!! ムカツったらありゃしない!! こっちは、純庶民の人間なんだよ!? こんなに大きい部屋は見たことないんだよ)

 だんだんアンジェに対して怒りがわいてきたが、当の本人は気づかず部屋の中央にクリスと共に歩いて行く。

 中央には、確実に座り心地が良いだろうと思われる長いすがテーブルの向かい合わせになっているように並んでいた。

 

 

(・・・・・・なんでここには、顔かたちが整っている人しかいないのか聞いても良いでしょうか?)

 うっかり葵が、そんなことを考えてしまうほど美形しかいなかった。

 アンジェは、葵を長いすに座らせると自分もその隣に座る。クリスは、葵たちの向かい側に座った。

(ん? なんか視線を感じる?)

 ジッと見られているような気がして、視線がする方向を見てみればクリスの隣に同じ顔が2つあった。そのうちの1人と目があったが顔を赤くされ視線をそらされてしまった。

(? なに? もしかして、私の顔ってそんなに変!? たしかに容姿は、平凡だけど別段と問題があったわけじゃなかった気がするんだけど。私の気のせいだったのかなぁ? だとしたらかなりショックなんだけどなぁ・・・・・)

 

 

「おい、いい加減に始めろ。なんで、こんな早朝に俺らを呼んだ? ここにいるお嬢さんは、どこのどなたなんだ? クリス、さっさと答えろ」

 1人が痺れを切らしクリスに問いかけた。問いかけられたクリスは立ち上がり、ニッコリと天使のように微笑んだ。

 その瞬間、葵の背中に悪寒が走った。

(なんか、イヤーな予感がする。どうか、この予感が外れていますように!!)

 祈ってみるが、葵はこういうイヤな予感ほどよく当たるということを嫌と言うほど知っている。

 

 

「せっかちだなぁ、カインは。ここにいるお嬢さんは、ボクが女神ユリエルに祈って召還してもらった伝説の花嫁だよ」

 

 

(はぁ!? 今、コイツなんて言った??)

 と思っていたら、無意識のうちにいすから立ち上がりクリスを思いっきり殴っていた。今度は、殴られてよろよろとしているクリスの胸ぐらを掴んだ。

「ねぇ、今なんて言った? 召還? 冗談でしょ?ちょっとあんた、どーいうわけよ!! ここは、地球じゃないの!? 日本じゃないの!? ほら、さっさと答えなさいよ!!」

 葵は、クリスをがくがくと揺らしながら質問をぶつけた。

「そ、そんなに激しく揺らされたら目が回っちゃう!!」

 クリスは、悲鳴を上げたが、葵は無視した。

「そんなのどうでもいいから早く答えなさい!!」

「分かったから!! なんでも答えるから、とにかく離して!!」

「その言葉、嘘じゃないよね?」

「当たり前だ!!」

 その言葉に葵は、すんなり納得して手を離した。いきなり手を離したので、クリスは尻餅をついたがそんなの葵の知ったことではない。クリスを冷ややかに見下ろし、腰に手を当てて仁王立ちをする姿は、悪魔のように恐怖感を誘うようなものだったと後々彼らは語る。

 

 

「えーっとですね。ここは、キミがいた世界ではありません。それて、キミがもとの世界に帰れるのかというと帰れません。なんせ召還されたのですから。もともとの決まりで、召還した者の世界での存在は抹消されることになっているらしいので、キミのことを覚えている人は1人もいないと思われます。キミは、アンジェの伴侶になってもらうために召還されましたが誰を伴侶にするかは自分で決めてください。以上です」

 

 

 クリスの淡々とした説明に、葵は顔を歪ませていく。

「・・・・・・なにそれ。帰れない?地球での存在を抹消? ふざけないでよ!! まだ私は、十八歳なんだよ!? これからもっと人生が楽しくなっていくっていう時期なのに――――――」

「ふざけてなんていない。これは、事実なんだよ。受け入れてください。それに、十八歳といえばこの世界では立派な大人だ」

 

 

 そのうち、葵の瞳から涙が一筋こぼれた。

(なんなの!? いきなり、“キミの世界でキミの存在は抹消されました”とか意味分からない!! 私にどうしろって言うの?? ふざけないでよ・・・・・。いやだ。帰りたい。帰りたいよ・・・・・・・棗)

 

 葵の中の、怒りの感情に何かが同調し爆発して目の前が真っ赤に染まった。

 

 

 


名前は、全員出てないけどメインキャラさん達ほとんど集結です。


葵ちゃんに殴られたクリス・・・ご愁傷様ですね。

あれは、絶対に痛いよね(笑)

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