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黒の冥王  作者: 紅梅
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始まりと出会い

 いったいこの状況はなんなの!?

 

 目を覚ますまで自分の家で寝てたはずなんだけど。

 なのになんで、目の前に男の人の胸板があるの??しかもしっかりと相手の腕が体に回されていて抱き枕状態。

 

(ダメだ・・・・理解不能なこの状況に頭がパンクしそう)

 

 数分前まで家にいた。これは絶対にたしかなことだ。高校から帰ってきて、ご飯食べてお風呂入って-長くなるからその後は割愛で!!-「疲れたー」って言ってベッドにダイブして寝た。

 

(たしかに私は、1回寝たらなかなか起きないよ? でも、この状況の変化に気づかないってことはないでしょ・・・・・・・たぶん・・・・きっと。よ、よし自分が分かるかチェックだ!!)

 

 -名前は?- 緋野ひの あおい

 -年は?- 十八歳

 

(分かってるな。記憶は大丈夫みたい)

 

 1人で、頷いていたら目の前の胸板もとい男が動いた。そっと葵が顔を上げてみると、碧眼の瞳と視線がぶつかった。

「だれだ? お前は」

 最初に言葉を発したのは男の方だった。

 

(いきなり知らない人に“だれだ?”って聞かれても困るんだけど。なんて答えれば良いんだろう・・・・)

 葵がどうしようかと考えていると、

 

「名を名乗れ」

 男は短くそう言った。

(はぁ? この状況でそれ聞くの? しかも、この人名乗ってないじゃん。人の名前を聞く時は、まず最初に自分の名前を名乗るのが礼儀ってものでしょ!)

 葵は、イラっときたのでとりあえず睨んでみる。男は、驚きの表情をした。

 

(まさかこの人、今まで生きてきて女に睨まれたことないの? あーでも、顔が良いからなさそうだわ。それに、平手打ちとかもされたことなさそう)

 そう思うと、笑い出しそうになる。しかし、ここで笑い出したら失礼な人になってしまう。それは、イヤなので必死に我慢する。

 必死に笑いを我慢する葵の様子を見て、男は驚きの表情から怪訝そうな顔をした。しかし今の、葵にはその表情さえも笑いのツボでしかなく、

(も、もうダメ。笑っちゃう)

 

 葵が吹き出しそうになった瞬間、

「やぁ、アンジェ。目覚めの気分はどうだ?」

 どこからともなく聞こえてきた声に、葵は救われた。いきなりの声に、驚き今の今まで笑いそうになっていたのがどこかへ飛んで行ってしまったのだ。

 

(ふぅー。助かった。あのままだったら、確実に吹き出していたな。・・・ん? 今の声の人は“アンジェ”って言った? 私の名前じゃないから、この人の名前か。というか、この人いつまで私を抱き枕状態にしておくのかなぁ? いい加減に、放してほしい)

 

 葵の思考には結局、吹き出しそうになったとか男の名前などよりも早く放してほしいという事だけが残った。

 そんな葵の考えに気づかず男・・・・アンジェは、

 

「・・・クリス。これはお前の仕業か?」

 上半身を起こし、寝台側に立っていた銀髪紫眼の男を睨みつけた。その時も、葵はまだ抱き枕状態だった。全然、放す気配がない。

 葵は、軽く諦めてアンジェと同じように男を見た。アンジェが発した言葉からすると、この男の名は“クリス”と言うらしい。

 

「質問に質問で返すとは酷いね。仕方ない。今回は、特別に許してあげるよ」

「だったら早く答えろ。これはお前の仕業か?」

「まぁね。アンジェも知ってるだろ? ボクは、2度手間が嫌いなんだ。だからさっさと起きて、隣の部屋に来てくれるかな? 早朝だけど、カイン達も呼んだから。さぁ、アンジェに抱かれているお嬢さんも一緒に」

 

 “アンジェに抱かれているお嬢さん”?

 誰のことだ?

 ・・・・・・・あー、私か。

 

 自分を指さすと、クリスはそうだと言うよに頷いた。

 

 

 


メインキャラ出てきました。

結局アンジェは、最後まで葵を抱きしめたままでしたね(笑)


もう葵はされるがままになっています。

ちょっと同情。

ドンマイ、葵!!


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