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黒の冥王  作者: 紅梅
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魔法とは

お、終わったー!!

「アオイは、どこまで魔法とかのこと知ってるの?」

 

 

「んーっと、魔力は弱い人から強い人までみんな持っていて、持ってないっていう人はいないっていうことと、属性があってそれでその人にあった属性があって、今は、光が数人で闇はだれもいないってことかな」

「大まかなところまでは、知ってるって事だね。そうだねー、たしかに人には一つ属性があるけどその属性しか使えないって事はないんだよね」

「ってことは、例えば水の属性の人は水系の魔法だけ使えるって事じゃなくて、風でもなんでも使えるのって事?」

「そういうこと。簡単に言うとね、自分の属性は簡単に考えるだけだったり無意識でも扱えるけど、自分の属性ではない他の属性は色々と頭の中で構成を考えなきゃいけないんだ。 

例えば、自分の属性が炎だったとしたら炎は、火を付けたいなーとかこの肉を焼きたいなーとかそんな感じのことを考えれば、すぐに炎が出てくるんだ。 


でも、他の属性だと、どんな形態が良いのか。そして、形態を頭の中に浮かべたりしなきゃいけないんだ。

 だから、みんな極力自分の属性以外は使わないようにしてるんだ。そうじゃないと、頭が疲れちゃうからね」

 なかなか面倒でしょ?とセシルは、アオイに笑う。

 

(たしかに、これは面倒だわ)

 

「あと、例外もあるんだ」

 まだ、あるのかとアオイはつい顔をしかめてしまった。

「そんな顔しないで。とても簡単だから。例外は、光と闇の属性はどうやっても使えないって事。

 あ、もちろん光か闇の属性の人は使えるよ?

 でも、光の属性の人は闇は使えないし闇の属性の人は光は使えない。

 そのどちらの属性でもない人は、どう頑張っても両方の属性は使えない」

「なんか、色々とややこしいね。でもさ、魔法って何に使うの? やっぱり、闘う時とかに使うものなの??」

 アオイが、知っている魔法とはファンタジー小説の物語に出てくるものであり、話の中ではアオイが言った通り闘いの場面くらいしか魔法が登場してこないのだ。

「それもあるけど、日常生活の中でも使うよ。

 火を灯したりとか、水を汲んだりとか、洗濯物を乾かしたりとか僕達の日常は多くの魔法で溢れてるんだよ」

「へぇー。それは、便利だね。でも、形態を想像するのに疲れないの?」

「うーんとね、これは慣れかな。一回想像すると、次に使いたい時はそれを思い出すだけで良いし。ところで、アオイの世界には、魔法はなかったの?」

(この質問、やっぱりきたか。まぁ、自分の世界では当たり前のことを知らないんだから当然気になるよね)

 内心、苦笑いをしながら

「うん。なんせ私の世界じゃ、魔法とは非科学的存在だったからね」

 と答えた。

(次の質問も予想はできるけど、なんて答えたらいいかわかんないや。説明すると長くなりそうだしなぁ。ここはいっちょ“アレ”でいきますか)

 

「“非科学的存在”? なに? それ。」

「科学ではない存在ってこと。私の世界には、魔法の代わりに科学という存在があるんだ。多分、魔法よりも便利だよ。科学とは、何かっていうことについても説明してあげたいけど長くなるから割愛ね!!」

 アオイが言っていた“アレ”とは、割愛のことであった。何か説明が面倒だったりする時とか、長かったりする時はよっぽど重要な内容でない限りアオイは、この割愛を重宝して使っていた。初めて出会った時は、なんて便利なんだ!!と感動していた。

 だからか、アオイの周りの人間はよっぽどの事がない限りアオイには説明を求めないようにしていた。アオイが、一を聞いて十を知ることができる人間が多かったのだ。

 その筆頭は、棗だということは言わずとも知れていた。棗の場合、アオイが何かを言う前に察するということが多かったが。

 

「そっか。長くなる説明は、勘弁してもらいたいな。寝ちゃうかもしれないから」

「寝ちゃうって事は、長い話を聞くのはダメって人間?」

「まぁね。頑張っても、寝ちゃうんだ」

 アハハと可愛く笑っているが、寝ちゃダメなんじゃないか?とアオイは思った。

 

「なんとなーくだけど、魔法のこととか分かった気がする。ありがとね」

「どういたしまして。あと、これだけは言っとくね? 早く、護衛は決めておいた方がいいと思うよ。アオイを、良く思ってない人とか絶対いるから。きっとその人達が、手を出してくると思うんだよね。僕達で、守れる時は良いけど守れない時だってあるから」

「ん。分かった」

 真剣な表情で言うセシルに、こちらも真剣な表情で返事をしたアオイだった。

 

「アオイ様、そろそろお昼の時間でございますよ?」

「もうそんな時間なんだ。じゃ、行こうか」

「はい」

「ってことで、行くね? 色々と話してくれてありがとう」

「じゃーな」

「また後でね。何か聞きたいことがあったら、いつでも聞いてくれて良いからね」

 セシル達には手を振り、団員の人達にはペコッと頭を下げ騎士団詰め所と魔法師団詰め所を後にした。

 

「あのさー、行こうかって言ったのは良いけどこに行けばいいの!?」

「そんなことだろうと思った。部屋に戻って食事をするのとわたしみたいな、皇宮仕えが食事をする食堂に行くのどっちが良い?」

「食堂が良い!! 大勢の人達と食事する方が絶対楽しい!!」

「了解よ。じゃ、行きましょうか」

「うん!!」

 目をキラキラと輝かせながら、歩き出したコニーデの後をアオイは付いて歩いて行った。

よし!

次は、食堂です!!

アオイちゃんが、大好きな食事の時間になります。

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