表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒の冥王  作者: 紅梅
14/49

攻防戦

「初めまして、姫様!! わたしは、今この時から姫様の専属侍女になりましたコニーデ・マーレルと申します。よろしくお願いいたします。どうか、仲良くしてください!!」

「コラッ!! 仲良くしてくださいじゃないの!! 精一杯、お世話いたしますでしょ!?」

「ですが、母様!!」

「ここでは、“母様”と呼ぶんじゃありません!!」

「はっ! 申し訳ございませんでした。しかしですね、リサーナ様。まずは、仲良くならなければ精一杯お世話しても空回りするだけじゃないですか!!」

「・・・・・それもそうですね」

「でしょ!!」

 あまりにもすごい速さで行われていく会話に、アオイは呆然と立ち尽くしているほかなかった。が、面白かった。アンジェ達の会話(何を話しているのかは分からなかった)やそこにリサーナが加わった時の会話も面白かったが、この世界に来てこの二人の会話がなぜだか一番面白かった。

 そんなアオイに気づいた二人は、はっとし頭を下げた。

「申し訳ございません。みっともないところをお見せしてしまい・・・」

「いえ、大丈夫ですよ? だから、顔を上げてください」

「ひ、姫様!! なんとお優しい!!」

 コニーデは、頬を紅潮させうっとりとした目でアオイを見た。


「いや、あの、優しくないですよ? それと私の事は“アオイ”と呼んでください。もちろん呼び捨てで! あと、敬語もなにしてください」

「まぁ! わたしに敬語なんて不要です。では、わたしのことを“コニーデ”もしくは“コニ”と呼び捨てでお呼びください」

「そうしたら、私の言った通りにしてくれる?」

「二人きりの時だけでよければ」

「ありがと!! 嬉しい。これからよろしくね、コニ!!」

「こちらこそよろしくね、アオイ!!」

 アオイとコニーデは、仲良く手を取り合って微笑んだ。アオイに、この世界で初めて友達ができた瞬間だった。




「さっそく、仲良くなったところでアオイ様にはお風呂に入っていただきます。コニーデ」

「はい、お任せを。さぁ、こちらですよ」

 有無を言わさずコニーデに連行されたアオイであった。風呂場では、「いやー!! 一人で入れるから来ないで-!!」、「何を言いますか!! 入浴の手伝いをしない侍女は、侍女とはまったく言えないのですよ!! ですからアオイの入浴を手伝わせてもらいます!!」という攻防戦をしていることが簡単に予想できる叫び声が上がった。結局、コニーデに一人で入ることを認めてもらえなかったアオイは、風呂場から出てきた時点でヘトヘトになっていた。


「次は、お着替えですよ。こちらに」

 リサーナにつれられ、大きなクローゼットの前までやってきた。中を開くとあらゆるドレスやらワンピースやらが入っていた。

「どれにしましょうか」

「これはどうでしょうか!?」

「いいわねぇー。こっちは?」

「それもいいですね」

 嬉々として選ぶ二人にアオイは、自然とため息をついていた。

(もう好きにして!!って感じだわ)


「これにしましょう!!」

「はい!! 絶対、よくお似合いになります!!」

「アオイ様、これにしました」

 そう言って、リサーナ達が出してきたのはチュールとスカラレース重ねでふんわりラインのスカートデザインのフェミニンなワンピースだった。色はローズパープル。それに合わせて、靴や小物を出してくる。むき出しの肩では、寒いだろうとショート丈のレースボレロも出してくる。

(これって、いつ用意したんだろ・・・・・)

 ふと疑問に思ったが、聞けるような雰囲気ではなかったのでまたの機会に聞くことにした。



「ほんとーにお似合いです!!」

「ステキ!!」

 着替えた後、化粧などなどをリサーナ達(いつの間にか、ほかの侍女さんもいた!!)にやってもらい今はようやく終了した。アオイ自身は、自覚をしていないが整った顔立ちをしているので化粧をしたら、さらに磨きがかかったように綺麗になった。

 張り切って化粧等を施したリサーナ達は、次々にアオイを褒め称えていく。中には「自分は、なんて良い仕事をしたんだ!」とうっすら涙を浮かべながらアオイをほめる人もいた。

「これから毎日が、楽しみです!!」

「え? まさか、毎日こんな感じに着飾るの!?」

「もちろんです!! 安心してくださいませ、アオイ様。わたくし達に、全てお任せください!! わたくし達が、着せ替えにん・・・・・いえ、アオイ様がさらに美しくなられますよう誠心誠意お選びいたしますので!!」

 リサーナ達は、目を輝かせ握り拳を作り熱弁していた。

「これからが、楽しみです!!」

「わたくしたち頑張ります!!」

 他の侍女(コニーデ含み)は、これからの毎日に心を躍らせていた。反対にアオイは、

(ちょいまてー!!! この人着せ替え人形って言おうとしたよ!? つまり、何? これから毎日、私は着せ替え人形にならなきゃなの!?)

 そのことを想像するだけで、アオイはげっそりとした。


「ではアオイ様、参りましょう。皇宮の中をわたしがご案内します」

 コニーデに導かれ、皇宮探検にアオイは出発した。


アオイちゃんVSコニーデちゃん

勝者はコニーデちゃんです(笑)


誤字脱字など「この言葉の使い方違うだろ!!」とかありましたらこっそりと報告お願いします。

良いですか!?こっそりですよ!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ