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異世界恋愛系 作品いろいろ

貴方の言葉ですべてが終わった。……いいえ、そうではないわ、私は自分の足で立ち上がってみせる。

作者: 四季
掲載日:2026/10/27

 婚約破棄する。


 貴方の言葉ですべてが終わった。


 二人だけの世界の話だというのに。

 まるで世界全体が崩壊してしまったかのようね。


 婚約とか、結婚とか、そういったものだけが人生の十割ではないのだと分かっているけれど。直後はかなりの衝撃を受けたわ。胸が苦しくなって、息ができなくて、全身が見えない何かに押し潰されてしまいそうで。冷静になれば一人と一人の関係にまつわること、その程度のことでしかないというのに、その瞬間はとてつもなく大きなことのように感じられていたから、救いなんてどこにもないと思ってしまうほどに暗い闇に引きずり込まれてしまっていたわ。


 けれどね、ある時気がついたの。


 貴方との関係が終わったことがすべての終わりではないのだと。


 その本当の意味を理解する時が来て。

 そこからすべてが変わり始めた。


 ああそうか、私はまだ、終わってなんていなかった……。


 真の意味でそのことを理解した時、闇に包まれていた辺りに真っ白な光が射し込んで、途端に視界が色鮮やかさを取り戻したの。


 折れている暇はない。

 立ち上がらなければ。


 貴方はもういなくても、独りでも、どうにか立ち上がるしかない。


 命を絶たれたわけではないのだから。

 道は続いているのだから。


 ならば、辛くても、この足で立つしかないのね。


 時には立ち止まってしまうこともあるでしょう。それもまた人生。けれど、いつまでも立ち止まっているわけにはいかない。諦めて、止まって、いつまでもそのままでいるなんて勿体ないから。暗雲立ち込める場所に迷い込んで進めなくなる瞬間があったとしても、いつかはその重苦しいものを振り払って、再び歩みを進め始めなければ。


 貴方が私を切り捨てたとしても、そんなものは所詮、二人の関係においての話――つまりは、それほど重大なものではない、ということね。


 世界を叩き壊すようなものではない。

 秩序をひっくり返してしまうようなものでもない。


 ならば、そんなものにすべてを壊されてあげる筋合いはないわ。


 私は私として立つ。自分の足で。



◆終わり◆

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