表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

みどりのひ、こどものひ

掲載日:2026/06/20

 家族で初キャンプ。 

 夫と息子と。

 息子は十徳ナイフをもらって、大喜び。

 やっぱり、男の子ね。

 二人とも大はしゃぎ。

 私も、ちょっと、気持ちがはしゃぐ。

 いけない、いけない。

 深呼吸、深呼吸。

 綺麗な空気。

 気持ちが落ち着く。




 緑色の夜。

 息子は眠り、二人きり。

 焚き火を囲んで、

「見たか? あいつの尊敬の眼差し。

 なんでもできるお父さんすごいって顔、

 いやー来て良かった」

 だらしのない、ニヤケ顔。

「あなた、少し飲み過ぎじゃない?

 なーに、まだまだ、宵の口。

 ボトルを空けない夜は無い」

 くだらない親父ギャグ。

 けれど笑ってしまう。

 グラスでワインが揺蕩う。

 私も少し、酔ったみたい。




 鳥のさえずりで目覚める。

 血の、匂い。

 夫が刺されていた。

 息がない、死んでいる。

 息子は?

 寝袋は空。

 テントを飛び出る。

 目の前に、血まみれの息子がいた。

 息をしている、立っている。

「良かった、良かった。無事で。

 けがはない? お父さんがね、」

「ああ、あれ?

 僕がやったんだ」

 手には、十徳ナイフ。

 開かれている、

 ナイフに、

 ハサミに、

 缶切りに、

 ドライバーに、

 ワインオープナーに、

 血がついている。

「どうして、どうして、」

「これ、便利なんだけど、

 お父さんがついてたら、

 もっと便利かなって」

 いけない、いけない。

 深呼吸、深呼吸。

 綺麗な空気。

 綺麗な空気。

 気持ちは、落ち着かない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ