少女達の邂逅・上
夏休み終わっちゃったので初投稿です
この世界には怪物がいる。
それは何処からともなく現れ、目につくすべてを破壊し、人類に対し多大な損害を出していく。
その怪物は“レギオン”と呼ばれた。
見た目は様々。
一般的に獣の様な姿を形取る事が多く、それは魔獣とも呼ばれた。
現時点で科学的に解明出来ない摩訶不思議な力、魔力と呼ばれた力を操る獣。
魔力とは、凄まじい力であった。
あれらが纏う魔力により、大半の現代武器では傷すら付かず、太刀打ちが出来なかった。
その上、それは放出されるだけで絶大な破壊力と汚染を撒き散らした。
都市は朽ち、船は沈み、航空機は落とされた。
そう、人類はレギオンにより絶滅の危機に陥ったのだ。
しかし、人類は未だに存在している。
人々は適応、進化したのだ。
この未知の力に。
そう時間が経たない内に魔力を扱う事が出来る者達が現れた。
魔力による攻撃はレギオンの防御を突破し、撃退する事ができたのだ。
そしてそれを成し遂げた者達は決まって若い少女達であった。
彼女達は己の魔力から様々な現象を引き起こし、操る。
魔法と呼ばれる技術でレギオンに対抗する事が出来る者達。
流麗に飛び回り、華やかな魔法でレギオンを倒す可憐な少女。
彼女達は魔法少女と呼ばれた。
そして今日も、少女達は何処かの街で戦っている。
-日常-
何処かの街のとある路地裏。
ある喫茶店にて、二人の少女が談笑している。
紫髪の少女が言う。
「情報通り。ここのものはアタリよ。」
赤髪の少女が満足そうに答える。
「私珈琲は普段あんまり飲まないんだけど、ここのは美味しかったね!」
「甘党ね。貴女はパフェの方が良かったんじゃない?」
「まぁね。結論、どっちも良かった。」
「同意。」
初めて来たお店だが、もう既に気に入ったらしい。
少女は弾んだ声で話す。
「にしても、マコちゃんよくこんないいトコ見つけるじゃん。」
「私としてもまさか路地裏のこんなところにあるなんて思わなかったけど。」
「ああ、ほら、隠れた名店ってやつじゃない?」
「そうね。私好みの雰囲気よ。」
この店は紫髪の少女の紹介で来た。
最近出来たらしい喫茶店があると。
赤髪の少女もここのところは忙しかったし、気分転換に良いと思ったのだ。
結果は上々。
次回もまた来たいと思うくらいだ。
「まァ、マコちゃんの好みにはかなり刺さってますよねぇ。店長さんの見た目とか。」
マスターは中々に渋くて綺麗なお兄さん。
気になって年齢聞いたらびっくりした。
あの年でこんな立派なお店持っているのは凄いと思う。
というか正直貫禄が年齢詐称してる気もしたけど。
「…そこ、関係あるかしら?」
「人ってのはなんでも恋愛に結びつけたくなるモノだよ。」
「…別にそういうつもりじゃなかったんだけれど。そもそも店員との釣り合いが良いのよ、アレは。」
「ああ、あの店員さん可愛かったよねぇー。」
配膳をしてくれた白髪の少女だ。
青い目のした綺麗な人。
この喫茶店の雰囲気によく合ってる子だった。
ダウナー系って言うんだろうか。
「聞いた感じ店員はマスターとあの子だけっぽいし…ふふふ。」
とっても想像が捗る。
紫髪の少女は呆れた目をして赤髪の少女に言う。
「変な妄想は嫌われるわよ、やめておきなさい。」
「何をおっしゃる。私は今新たな同人誌のネタを閃きかけているだけで。」
「…次から私だけで行くわ。」
「すいません出来心でした。後悔も反省もありません。」
「まったく…。」
巫山戯ているのか真面目なのか。
いや、そもそも駄目か。
そうやって雑談をしていたら。
「あれ…スマホが。ちょっと失礼。」
「あら…私もよ。」
二人のスマホが震えた。
内容を理解し、互いに見合わせる。
「……ふむ。どうやら今日のところはここまでみたいだね。」
「残念。もう少しゆっくりしていたかったのだけれど。」
二人はスマホをしまい、立ち上がる。
「お代は私持ちで良いわ。今日は付き合ってくれたお礼よ。」
「わぁ、ありがと。」
喫茶店を出て、路地裏を歩く。
いつのまにか二人の手元には、先程まで持っていなかったものがある。
赤髪の少女は杖を。
紫髪の少女は本を。
気付けば少女達の服装も変わっていた。
「「行こう、時間だ。」」
彼女達が去った後、静かな喫茶店の中で声が聞こえる。
「いやぁ二人も来るなんて大盛況じゃん。」
「今月中で、なんだかな。」
少女と男が話をしている。
「店開いたのも今月だよ。」
「慰めにはならねぇぞ、今月はもう終わる。」
「儲ける為じゃないでしょう。」
「それはそうだが。」
元々ここはただの隠れ蓑だ。
これが最も都合が良かったから。
「にしても、あの子らよくここに辿り着いたね?」
「…情報通りって言っていたな。客なんて来ていなかったのに何処から漏れたんだ?」
男は疑念を口にする。
何処からの情報かは調べさせた方がいいだろうか。
「女子のネットワークは度々神秘の域に達するからね。そう言うモノさ。」
「絶妙に否定しきれねぇ推察を口にするのはやめてくれないか。」
白い少女はそうやって話しながら、店のドアに手をかける。
…少し、やる事ができた。
「ああ、そうだ、マスター。少し出かけてくるよ。」
「あ?どうしたお嬢。」
「レギオンだよ。この辺りには多分来ないだろうけど。」
「なら行く必要ないだろ。今は大人しく仕事しとけ。」
「僕が抜けたって問題無いでしょ。人居ないし。」
「それは言うんじゃねぇよ。というかお嬢はサボりたいだけだろ。」
「やーそんなことないよぉ。念の為ってやつ。いざという時処理できる様見に行くの。」
「…まぁいい。ヘマはするなよ。」
「何を今更。あの巫山戯た怪物共と比べたらレギオンなんてしょぼいもんよ。」
「そんな事が言えるのはお嬢くらいだからな。」
どうもエブたそです。
クトゥルフ系書くなら早くブラボも終わらせないと
まぁ〜魔法少女系だし大丈夫か!