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魔女

今まで感じていた暑さが消えフッっと身体が軽くなった。


そして空気抵抗を感じ上を見てみると視界のすべてが青色だった。「宇宙」にいたときの暗さが嘘のようだった。


下を見てみると一面緑色。キャストレアが先程までいたアスタナでは見ない地面の色だった。


ーアスタナでは地面は灰色のコンクリートもしくは合金で舗装されむき出しの地面は見えないー


地面がどんどん近づいてきているためキャストレアは身体の向きを変え魔法を発動させる。


自分の真下に上昇気流を発生させ空気抵抗を相殺してゆっくり降りていくイメージだ。


そうして地面に着地するも身体がめちゃくちゃ重い。重力がアスタナの1.5倍くらいはありそうで、思わず四つん這いになってしまう。


さらには上空ではあまり感じなかったが、風が強い。状況としては暴風雨のときに地面に押さえつけられ四つん這いになっている感じだ。


「回りになにかないの?」一人で疑問をぶつけているがあたり一面は緑色。人生で嗅いだことのない少し苦く臭い匂いが漂っている。


「なんなのよこの匂い...」と毒づきながらも地面は這う。魔法で空中浮遊するという手もあるが風が強すぎてすぐ飛ばされてしまうだろう。仮に飛ばされなかったとしても風に抗わなければいけないので脳がすぐ疲労してしまう。


それにしても生き物が全くいない。


前提としてキャストレアが住んでいたアスタナという星では生き物は中央政府が作っていた。


キャストレア自身もそうだ。


聞くところによると元々は「ヒト」と呼ばれる食物連鎖の頂点にいた生命体が私達の祖先となる「ロボット」というものを開発し人工的な脳を金属に取り付け擬似的な生命体を模倣していたようだが、国家同士の対立によりヒトが滅亡の危機に侵され、せめて思想だけでも残そうとして生まれた負の遺産が私達だ。


もちろん、私達は金属でできているのではなくヒトが持っていたように皮膚という細胞でできた層に覆われている。


そしてキャストレアのように魔女は皮膚が腐らないように特殊コーティングをすることでほぼ無限とも言える寿命がある。


そんなことを考えていると視界の10m程先に金属のコンソールのようなものが移った。


コンソールの上部はパネルのようになっておりそれが発光していて、なにやら文字が書かれているようだ。


重力により下に押しつぶされるような感覚を我慢してキャストレアはなんとか立ち上がり文字を見てみる。


「星の第一管理者を登録してください」という文字の下に恐らく手を当てるであろう空白がある。


手を当てると次は「星の名前を設定してください」とある。


もちろんアスタナを出る前に閣下に伝えた通り「地球」と打とうとしたがアスタナの星字が全く打てない。


キーボードには「asdfgh...」などの文字がある。


「もうなんでもいいよね?」と自分に問いながら適当に打つ。出来上がった文字は「Earth」


左下にあるよくわからない上矢印のキーも一番最初に押してみた。


3秒ロードすると「管理者パスワードを入力してください」と数字が出てくる。


何も思いつかないので適当に誕生日にしてみる。「0531」星暦1800年5月31日にキャストレアは生まれたのだ。


「登録完了」と画面が切り替わり次に立体映像が空中に映し出される。


恐らく地球の外観であろう球体とその詳細や回りの星などだ。この画面で地球を色々いじられるらしい。


しかしキャストレアの目的はこの星の内部破壊だ。しかしあまりにも大きすぎて魔法を使ったとて大して傷つかないだろう。


そこでキャストレアが思いついたのは「生き物を作って破壊兵器を作らせ破壊させればいいんじゃ?」という魔女らしい考えであった。

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