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短編集  作者: 夕暮れ
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「おはよっ!!私の可愛い義弟くん♪」

 皆さん初めまして!私の名前は白沢雪(しらさわゆき)です!!


 いきなりどうしたって?今日皆さんに聞いてもらいたいのは私の弟についてです!


 私の弟は義弟です。まだ私が小さい頃に養子として迎えたそうです。


 私がそれを知ったのは義弟が10歳になった誕生日でした。もちろんその隣には私がいました。


 最初はショックだったようで泣いていたし、私とだって口を聞いてくれませんでした。でも、私やお母さん達がどれだけ義弟を愛してくれているかを行動で示していたらだんだん受け入れてくれました。


 そして今となっては1歳違いの仲のいい義姉弟となりました。


 うちの義弟はかっこいんだよ!!身内補正がかかってる?そんなの知らないよ!!


 だってうちの義弟はさりげなく、私の好きなスイーツ買ってきてくれんだもん!!


 誕生日には服とか、カバンとか、アクセサリーとか買ってくれるんだよ!!


 それにその時いっつも「姉さんいつもありがとう」って微笑みながら言ってくれんだよ!?


 キャー////私そんなすごい人じゃないよ!!まぁ義弟に甘いけどね笑笑。


 だって小さい頃、義弟が欲しいものを頑張ってお小遣い貯めて買おうとした時、足りなくて涙目になってたから、少し私が出してあげたり、お弁当作ってあげる時なんか義弟の好きなものしか入れないし、義弟の誕生日にはいっつもケーキ作ってあげて、プレゼントだってあげてるんだよ!!


 だってあの可愛い顔してて、シュンってしてたり、嬉しそうに笑う顔見たらしょうがないじゃない!!


 でも最近はそんな姿を見せてくれない。逆にかっこよくなったんだよ!!


 なに!?私をギャップ萌えさせる気!?もうお姉ちゃんは義弟に陥落しそうです。


 それでも義理とはいえ姉弟ですから、必要以上に思わないことにしてる。まぁ時々義弟がかっこよすぎて危ないんですけどね笑笑。


 でもね事件が起きたんだよ!!私が20歳の誕生日に義弟に告白されたの!!しかも高そうなディナーに行って、その後綺麗な夜景スポットに行ってね!!


 もう予想してなかったから、すっごいびっくりしちゃったよね!!


 なんでこんなあまり美人でないお姉ちゃんのことが好きになったの?って聞いたら、義弟は「義姉さんは誰よりも優しいよ。それに俺にとっては義姉さんが一番だよ」って言ってくれた!!


 そりゃ私は義弟が可愛くて可愛くて仕方なかったから、そうしてたけど私達は義理だけど義姉弟なんだよ。


 でもね「そんな事関係ない。俺は義姉さんだからいいんだ。覚えてる?俺が10歳の誕生日の時の事。あの日俺は義母さん達から本当の息子じゃないって知らされた。その時俺は家族と思ってた人達はただの他人なんだなって思った。一人仲間はずれにされたって思った。でも、それでも義姉さんは俺に優しくしてくれた。それが俺は嬉しかったんだ。あの時は分からなかったけど今なら分かる。あの時俺が一番欲しかったのは愛情だったんだ。それを義姉さんが一番くれた。もちろん義母さん達だってくれた。でも一番は義姉さんだったんだ。その時から俺は義姉さんが好きだったんだ。これが俺の初恋だよ。だから今日それを実らせたくてここに来たんだ。」って言ってくれた。


 こんな私でいいの?美人でもなけりゃ勉強が特別できるわけでもない。こんな平凡な人なんだよお姉ちゃんは。それに比べて義弟はイケメンで、優しくて、勉強もできる。お姉ちゃんより可愛い子を彼女にだってできるんだよ。


 なのに義弟は私を選んだ。...........もう我慢しなくていいの?お姉ちゃんだって義弟の事が好きなんだよ?そんな事言われたら本気にしちゃうよ?


 私は言葉よりも行動で答えを示す。昔から義弟には行動で愛情を表現してたから今更言葉なんてね。


 私は義弟に抱きつく。いきなり飛び込んで来た私を危なげなく抱きとめた義弟は私を抱きしめ返してくれる。


 あったかい。愛情が欲しかったのは私かもしれない。でも今じゃもうそれも解決したね。


 私達はそれから言葉を一言も言わないまま唇を重ねた。


 もう私達に言葉なんていらない。


 これまで通り私達は行動で示していく。


 私は義弟を愛し、義弟は私を愛してくれる。


 周りの人からは変な目で見られるかもしれない。両親を説得できないかもしれない。


 でも、それでも私達はお互いを愛してしまった。


 もうこの気持ちには嘘をつけない。


 だからもういいや。


 私達を蔑んだっていい。


 私達が幸せならそれでいいや。


 他人の評価なんて知らない。


 恋愛っていうのはそういうものだと思う。


 だから私は今日もこう言う。


「おはよっ私の可愛い義弟くん♪」

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