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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイは勇者と戦うってね

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90話

「おらおら、どうした?人間はこんなものか?」

「くそ!」


そんな言葉が聞こえる。

何人かの兵士で粘りはしているが、キツイことはキツイのだろう。

さすがに敵の数が多い。

それに、あのさっきから明らかに大きな見た目のやつ…

最初に見たことがある。

俺がそう思っていると、ゴブリンではない三体の大型のモンスター。

見た目は、そう思い出した。

最初にアイラたちと出会ったときに戦った相手のオーガだ。

ただ、違う点は、一体だけは明らかにそれより大きいというところだろう。

まずいなと思っていると、普通のオーガ一体が前にでる。


「ここはおいらにやらせてくれ」

「いや、おらが!」

「まあ、まてまずはゴブリンにしっかりと働いてもらおうか」

「は!」


そういうと、後ろに控えていたゴブリンたちが前に来る。

数は見えるだけでも、百近くはいるだろう。

まずいな。

せめて、シバルやバーバルがいてくれればいいんだが…

といっても、このままというわけにはいかない、やるしかない。


「アイラ!」

「任せて!我の前に絶対に通さない聖なる壁を作りたまえ、ホーリーバリア」


アイラの魔法によって、俺たちは前線に降り立つ。

ヘンタイスキルをまだ使うわけにはいかないな。

俺は地面に拳を突き立てる。

といってもヘンタイの恰好をしていないため、たいした威力はでない…

というわけではなかった。

俺はしっかりとヘンタイスキルで強化された拳で地面を殴り、地面が揺れる。

ゴブリンたちは勢いが一瞬とまった。


「行くぞ!」


そこを見逃さないようにして、俺は前に突っ込むと一体、また一体とその拳で殴り倒していく。

ふう、やっぱりヘンタイスキルが発動しているからいけるが、これはどこまで持つかだな。

というのも、現在ヘンタイスキルが発動しているのには理由があるからだ。

それは何か…

簡単にいえば、若い女性のあれといえばいいのだろう。

精密な魔法と、大規模の魔法を使用するということで、アイラはかなり集中力と神経を使ったのだろう。

額には多くの汗が俺にも飛んできたのだ。

まあ、これは仕方ないことだ…

そう汗が出るのは生理現象なので、全く不快になることなどはない。

むしろ、その逆。

俺は、額についていたその汗を欲望のままにペロリとなめてしまった。

こ、これが若い汗だというのか!

ということで覚醒モードに入ってはいるが、自分の中で新しいヘンタイへの扉を開いたというだけで、これが持続するわけではない。

くそ…

昔読んだ漫画で、吸血鬼が異性の汗を飲むことで、血を飲んだ変わりになるなんてことが書かれていたがそれを思い出してしまった。

だからなんだとは思うが、それで多少満たされるということはわかった。

まあ満たされるのは俺はヘンタイスキルがということにはなるが…

急に現れた男とに次々とゴブリンを倒されるという状況を、オーガたちは楽しそうに見ている。


「おうおう、かなり威勢のいいやつがいるじゃねえか」

「おいらがやりたい」

「そうだな、いけ!」

「やりい」


俺はそんな会話が聞こえたときから警戒をする。

そんなときだ、兵士の人からこちらに声が飛ぶ。


「君たちは?」

「俺たちは冒険者だ、加勢にきた!」

「助かる、だが!」

「わかってる、オーガの相手は俺がする」


俺は構えをとった。

その横で、ひゅんという音とともに棒を構えた、女性が立つのがわかる。


「何言ってるの、一人じゃ無理よ。やるなら二人でね」

「了解」

「二人?楽しそう、おいらとやって壊れないでね」


その言葉とともにオーガがこちらに向かってくる。

オーガは俺と同じように手に何かをつけている。

最初見ていたときはあまり感じることはなかったが、ここまで大きくなかったんじゃないのかというが正直なところだった。

オーガ、久しぶりに相対するとこんなに強そうだなんてな。

オーガは突っ込んでくる勢いのまま、こちらを殴りつけてくる。

俺はそれを防御するのではなくかわす。

ヘンタイスキルが発動しているからこそ避けることができるが、効果が切れてしまえばこれは…

耳元を通過するたびにひゅっと音がなるので、さすがに当たったり防御もしたくない。


「うまく避けるなあ」


そんな俺の姿をオーガは楽しそうに笑う。

いや、さすがにモンスターだ。

普通に笑い方も怖えよ。


「もっとスピードを上げても、よさそうだなあ」


そしてすぐに攻撃を…

って、はえええ!


「ただし!」

「あぶねえ…」

「油断しない!」

「いや、急に速すぎるんだから難しいだろ!」

「今のをかわすのかあ」

「いや、かわしたとは言わないけどな、今のは…」


そう、速くすると言われた瞬間に先ほどよりも速い攻撃をしてくるから、完全に合間をつかれた俺は一瞬動きが遅くなった。

だから避けられないと思ったが、アイラによる棒で弾いたことで少し軌道がずれ、俺から外れたということだ。

そして俺もすぐに距離を取った。

一応これで仕切り直しというところだ。

どうする?

このままじゃジリ貧だな。

ヘンタイスキルを発動するしかないのか?

そう思っていたときだった。

魔法が飛んでくる。


「間に合いましたね」

「本当だね」

「案内ありがとねー」

「いえ、こちらこそありがとうございました」


そう言葉にしているのは、シバルとバーバル、そしてベルさんだ。

どういうわけかはわからないけれど、全員がそろったようだ。


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