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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイは勇者と戦うってね

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81話

「それで、私たちは何を買いに来たんだっけ?」

「え?アイラさんが見たいって言ってる場所に行くのでは?」

「初めての街に来て、すぐに行きたい場所が見つかることなんてないって」

「それは、そうかもしれませんが…」


私たちは、シバルたちと離れた後に、何をするというわけでもなく、人に流されるようにして街を見て回っていた。

一応地図をもらったのだから、それを見ればいい話だと思うのだけど、これが広すぎてわかんないとは…

さすがは自由の国リベルタスの王都って感じね。

そういえば、あれからレメと出会えてないけどどこで何をやってるのかしら、確かに親があんなので恥ずかしいっていう気持ちはよくわかるけど。

そんなことを思いながら、ふといい匂いが漂ってくるエリアについた。

なるほど、ここはいろいろな食が売っているエリアなのね。

ギルドでもらった地図では、エリアがわけられていた。

食事エリア、衣類エリア、鍛冶エリア、住居エリア、商業エリアだ。

といっても、私たちが行った王城に近いほど、値段も上がっているため、遠くなればなるほど安い場所やそういうものが売られているエリアとされているらしい。

さらには街と外の境には、貧困層が集まる場所があるらしい。

こういうところはどこに行っても同じってことね。

私が昔いたあの場所でもあったことだもんね。

今は、いい匂いのせいでお腹も空いてきたことだし、ちょっと何かを食べるっていうのもいいわね。

私はそう思って、バーバルに声をかけようとしたときだった。

反対方向のお店に、レメがいるのを見かけたのは…

あ、目があった。

目の前にいる。

さすがの私でも聞いたことがあるパフェと呼ばれるものだ。

お、美味しそう。

そう思って顔を見ていると、慌ててパフェを食べ終えると、お店から出てきた。


「さっきぶりね」

「そうね。急に出て行ったからビックリしたんだからね」

「それは、悪かったおは思うけど、あの場合だと仕方ないでしょ」

「そうかもしれないけど、あんなことをしてれば、余計に心配をかけるんじゃないの?」

「そうなのかな?バーバルはどう思う?」

「わたくしですか?」

「ええ…」

「そうですね。わたくしも同じように一人でなんでもやろうとして、それをアイラさんたちに助けてもらった身ですから…一人でやるということについては心配をかけてしまって過保護になるというのはわかるのです」

「そっか…でも、レメだって最初はパーティーメンバーを作って依頼を受けたりしてたんですが、すぐに王女ということからか、相手が恐縮しちゃって、結局うまくやれなかったということが起きていたのよね」

「そうなのね」

「そうだよ。そしたら、レメがほしい情報が舞い込んできたから、あの国に行って、依頼を受けてたってことかな」

「それって、あのピエロのことでいいのよね」

「そうだよね。さすがにわかるよね」

「まあね、あそこまでわかりやすいとわからないというのが難しいわよ」

「はい、わたくしでもわかりました」

「そうだよね。ここまで立ち話をするっていうのも、あれだし、少しどこかでお茶でも飲みながら、話をしようかな」

「それはいいけど。レメ…」

「何かな?」

「口元にクリームがついてるわよ」

「え、それは恥ずかしい。すぐに教えてよ、もう」


そんなことを言いながらも、レメは口元についていたクリームを拭う。

私たちは、喫茶店に入ると、すぐに少しいい席に通される。

そうよね。

当たり前だけど、レメは王女だからこういうときにも、すぐにいいところに通されるってことよね。


「それで、聞きたいことって、わかるけどピエロ。兄のことよね」

「そうね」

「まずは、あの場所で説明されたかもしれないけれど、兄が入っている組織がラグナロク。終末を起こすということらしいのよね」

「終末?」

「ええ、世界の終わりってことね」


世界の終わり…

終わりに向かって、どうするのだろうか?

普通は、そういう人たちって世界を救うために行動するんじゃないの?

あのドーレだって、正義スキルを使って、自分が正しいと思う行いをしていたからね。

それなのに、向かう先は世界の終わりって…

そもそも、この世界で何が起こっているのだろう?

私たちは、何も知らないってことね。

関わってしまったのだから、少しくらいはわかるようになってもいいと思うんだけどね。

ううん、あの国に戻れば、それがわかるかもね。

私は、そんなことを考えながらも、話をして、結局のところその後は何かを買うということはせずに、合流場所に向かって行った。

その際に、レメとは別れた。

あんなことがあって、恥ずかしいとはいっても、家族とゆっくりと話をする時間を作るということだろう。

私はどこか、モヤッとしたものを抱えながらも、ただしたちと合流したのだった。


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