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80話

見た目は小さなピラミッドだ。

入口は、ピラミッドを開けることで入ることができるらしい。

それも、そのピラミッドが無数にある。

何かをすればピラミッドが開くらしい。


「って、人多くないか?」

「そうですね。開くことができれば、その人が取れるということになるらしいですが…」

「どういうことだ?」

「ロストテクノロジーと言われているものなんですが、秘密を解くことができた人の魔力を読み取って、その人の魔力でしか宝箱が開かないようにできるものですね」

「なるほどな」


って、魔力がない俺は大丈夫なのか?

そういえば、魔力について何か教えてもらう約束になっていたはずなのに、完全に忘れていたな。

いや、今は考えるまい…

まずは秘密を解くのが大事だな。

ここにいる人数は俺たちを除いて五人。

ピラミッドは八個置いてある。

押している人もいるが、びくともしない。

強引に動かすものではないのか…

まずはちゃんとピラミッドを確認しないといけないな。


「どんなものかを見ないとな」

「そうですね」

「ちなみに、ここにはどんなものがあると言われてるんだ?」

「わかりませんが、遺跡にあるものは全て強力なアイテムと言われていますから、それ相応の力があるものだとは思いますよ」

「なるほどな」

「はい、アイテムがどんなものかはわかりませんがアイラ様に捧げることができればいいんですけどね」

「そうだな」

「はい」

「そういえば、アイラとシバルの出会いってどういうものだったんだ?」

「そうですね。話は長くなりそうなので、このピラミッドの秘密を考えながらでも聞いていただければと思います」

「おう」


そうして、俺たちは二人でピラミッドを見て回りながらシバルの話に耳を傾けた。

そんなことがありながらも、ピラミッドの秘密は…

わからないな。

というか、なんでピラミッドなんだ?

それに八個もある理由がわからないな。

どういうものなんだろうか?

大きさがここでそれなりに違うのも関係あるのか?

うん?

何か数字が書いてあるな。

ピラミッドだから、麺は四つあるから数字は横に四つ。

高さとかをを合わせればいいのか?

いや、簡単すぎるか?


「なあ、これって高さを合わせるとかじゃないのか?」

「高さですか?」

「ああ…高さだけど…」

「ええっと、高さを表すものは確かにありますがこんなにこまかくはわかれていまん」

「そうなのか?」

「はい?」

「いや…」


俺たちがいた世界では、簡単にいえばもっとしっかりと数字がわかれている。

長さ的にはミリメートルくらいの答えになる感じだな。

数は八個あるくせに、全部横が四つになってるなんて、どことなく都合がいいと思ってたからな。

でも、正確に長さを測るためにはメジャーが必要だ。

ここで登場、神様だな。


「(いいか?)」

【何よ…】

「(毎回俺から話しかけると、それなりに不機嫌になってるのはなんでなんだよ)」

【それは、気に入らないから?】

「(気に入らないのなら、なんで転生させたんだよ)」

【あなたしかいなかったからね】

「(そうかよ)」

【あれ?突っかかってこないのね】

「(毎回こんなことで、話を長くしたくないからな)」

【へえ、かなり聞き分けがよくなったわね】

「(それはどうも)」

【これも、社畜がなせるわざってやつでしょ】

「(俺が考える前に俺が考えようとしたことを言わないでくれますかね)」

【別にいいでしょ?】

「(いいけどさ)」

【それで、どうしてそっちから話しかけてきたの?】

「(いるものがあってな)」

【ええ…あたしがそんなにポンポンとアイテムを渡せないわよ】

「(まじか、そんなに難しいことだったのか?)」

【そうね…えい】

「(いや、できるんかい)」


手の中には、俺が元の世界で見たことがあるメジャーが握られていた。

さっきの前振りはなんだったんだよ。


【まあ、手で握れるものくらいだったら、簡単に遅れるわよ】

「(へい、ありがとう)」

【それでうまくいかなかったら、怒るわよ】


そんな言葉とともに、また自称神からの声は終わる。

うん、ほしいものはゲットできたしな!

俺はヨーヨーを使うみたいに先っぽを持ち、メジャーを伸ばす。

懐かしい。

子供のころこうやって遊んで気がするな。


「そ、それはなんですか?」

「シ、シバル?」

「いえ、かなり心が躍るものですね」


少年のように目をキラキラと輝かせて、伸びるメジャーを見ているシバルは本当に俺の小さいときを見ているようだ。

確か、これをして喜んでくれる子供が他にもいたな。

そんなことをふと思い出したが、それが誰なのかはわからない。

まあ、いいか。

まずはやらないといけないことをやらないとな。


「結局それはなんですか?」

「まあ、見ればわかる」


こうやって使うものということを教えるためにも、俺はピラミッドの横にいくと、それを伸ばす。

なるほど、高さは一メートル三十五センチ四ミリ。

えっと、数字は上から、一・三・五・四だな。

というか、高さを考えると全部最初は一だよな。

俺たちの身長でも動かせるようになっているから、普通に一メートルくらいの大きさじゃないと、ずっと脚立とかを使わないといけなくなるからな。

まずは一番上が…


「って、一がねえな」

「一ですか?」

「ああ…」

「確かにないですね。一でないといけないんですか?」

「ああ…そもそも横に回らねえ…」


どういうことだ?

俺が考えていた感じでは、横に回すことでこのピラミッドの高さに合わせることができれば、謎が解けるはずだったのに…

そんな簡単な話じゃなかったということか。

そりゃそうだよな。

そんな簡単だったら、さすがに謎解き要素がある遺跡じゃなくなるよな。

一応縦じゃなくて、横にも測っておくか…

横向きに測ると一応は一週回るな。

それが意味あるかわからないな。

というか、どこからをゼロ…

起点にして測ればいいのかわからないな。

ふむふむ…

適当に測って…

むむ!

数字にしっかりとあわせると三つだけ合うな。

あとは一つだけ数字が合わないところを覚えておくか。

そうして八個のピラミッド全ての数字を読み取る。

これで出た数字を全部足して…

いや、違うのか?

一つピラミッドの数字を足してみると、それなりの大きな数字になるな。

てか二桁になってるから意味ないよな。

どういうことだよ。

足す、引く、足すとか?

お、おおお!

これは正解のような気がする。

一つ目のピラミッドから六、八、三、一、四、五、二、七か…

なるほどな。

この順番にピラミッドのてっぺんを抑えればいけるかな?

よし!


「シバル、やれる気がするぞ」

「本当ですか?」

「ああ、だからちょっと試してみてくれるか?」

「どうして、ボクなんですか?」

「俺にはできない気がするからな」

「まあ、それならいいのですが…」


そうして、シバルに伝えることでそれを実戦してくれると…

ゴゴゴゴゴゴゴという音が鳴る。

それのせいだろう。

周りにいた遺跡を攻略したがっていた人たちが、その音にビックリして慌てて離れる。


「なんだ、なんだ?」

「わからん」


そんなことをしながらも、ピラミッドは動き続けて、気づけば一つのピラミッドになっていた。

ぴかっと光る。

目、目潰しだとお!

そんなアホなことを思いながらも、目が見えるようになると、そこにはピラミッドがぱかっと開いたと思うと、宝箱があった。

うん、あれだ。

完全に見たことがあるやつだな。


「お、おお、ただし宝箱ですよ!」

「お、おう」


ただこの鎧の硬さと、胸の柔らかさに挟まれる感覚はいいものだと思ってしまう。

そして、宝箱の中身は…

今は言わないでおこう。

だって、言えないようなものだからな。

そうして、シバルとの遺跡探索を終えた俺たち二人は街に入り、二人と合流するのであった。


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