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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイは追われる運命ってね!
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69話

「えっと、ヒメ?これって…」

「あ、えっと、うん…かなりまずいことにはなってるかな?」

「そうなんだ…」


本当に理解ができない状況で、私は戸惑うことしかできない。

誰かに当たることで、私たちは湖に落ちることはなかったとはいえど、誰かが湖に落ちてしまったし、それにあのときにいた、確かピエロ?の恰好をした人と…

もう一人見慣れない恰好をした人もいるみたいね。

あとは黒服の男たちがいたけど、すぐに退避という声とともにどこかに行ったわね。

さっきは、このピエロを見て、ヒメが慌てて追いかけて行ったから、追いつけたことは追いつけったってことでいいのかな?

誰か説明を!

そう思って、見まわしたところで、ピエロの男がやれやれと首を振る。


「これは、予想外、予想外ではありますが、そういうのも含めてマジックというものはあるというもの」

「でも、計画はだいぶ狂ったと思うがなあ…」

「仕方ありません。それもまた、面白いものというもの!」

「それは、確かに違いねえけど、結局は目的は果たしたってことでいいんだろう?」

「ええ、ええ。受けていた内容は一つ終わりました」

「あれは、完全に強制終了だったがな」

「くくく、仕方ありませんよ。誰も人が湖に突っ込んでくるとはおもいませんからねえ」

「そうだな」


二人の男は、楽しそうに笑っているが、私が知りたいのはあんたたちが笑ってる理由なんだよ。

速く教えなさいよ。

さすがに、イラっとしていたときだった。

ヒメが男二人に向かって声を荒げる。


「何よ、目的は果たしたって…」

「えーっと、言われておるが?」

「うーん、こちらとしては特に話すことはないのですがね」

「だけど、このままってわけにはいかないのだろ?」

「ふむ、では一つ。この後のことを任せてみるのはどうか?」

「お主、いいのか?あれは、そうなった場合にはこちらで対処を行えということになっておったと思うが?」

「まあ、このままこちらに突っかかってもらっても困りますので、少し試す意味合いもこめてになりますかね」

「ワシは別に最後はこちらがちゃんと対処すればいいと思っているがな」

「そう言ってもらえて助かります。それでは、そろそろパーティーをが始まりますよ」

「何が…」


パーティーよと言おうとしたタイミングで、それは起こった。

地面が揺れだしたのだ。

な、何が起こっているの?

さすがに戸惑っていると、どうやらそう思っているのは私たちだけだったらしく、シバルと私は何かが起こるのだろうと振動が起こっている湖を見る。

一方、ヒメは地面の揺れを感じながらも、見ている先は、やはりピエロのほうだった。

そんなに、何か因縁があるのかな?

それも含めて、早めにすべてを終わらせて、聞かないとね。

そう思っていたが、すぐに湖に黒い影が出来上がるのが見えた。

それを見て、危険を察知した私は叫ぶ。


「シバル!」

「はい、アイラ様」

「我の前に絶対に通さない聖なる壁を作りたまえ、ホーリーバリア」


私たちは、近くによると、すぐにバリアを張る。

そのバリアの上に水が降り注いだ。

それを引き起こしているのは、今まさに湖から出てきた主だということをわかってはいたが、まさか…


「本当にいるなんてね」

「ええ、ですがこれは…」

「本当に大きいわね」


現れたのは、まさしく水龍と呼ばれる見た目をした、存在だった。

伝説とか言い伝えのものだと思ってたけど、本当にいるなんてね…

噂は本当のことってことだったということがわかったのはいいけど、ここからどうするかよね。

水しぶきが終わると同時に、水龍はこちらをギロリと睨む。


「ゴギャアアアアア!」


耳をつんざくような大声の方向を聞いて、私たちは体が動くわけない。

それを見ていたのだろう、あの男二人は私たちを観察しながら言う。


「ふむ、あれは無理そうかな?」

「ワシが見る限り、そう思いますなあ」


好き勝手言われる状況に、さすがに怒りが出てきた。

この町にきてから、依頼を受ければ違うこともしろと言われて、最終的にはこうやって何かを試すようにして、男たちがドラゴンの相手をさせようとしてくる。

本当にありえないとはこういうことなのかな…

それに、ヒメもヒメよ。

なんで、ずっとピエロって呼ばれてる男ばっかり見ているのよ。

元恋人とかなの?

いい加減に、面倒くさいわね…

ちょっとイライラしてきた。

こういう肝心な時に、ただしはいっつもいないし…

やりたいようにやっちゃうからね。


「シバル!」

「アイラ様?」

「ちょっと、やってみたいことをやるわ」


私はさっきできたことを思いだしていた。

さっき私の魔法でできたことといえば、地面の上にバリアを張って、そこを滑ってきたということ。

攻撃としても有効活用できるのは、このバリアだろうけど…

問題は相手に向かってこの魔法で攻撃しようとしても、修道女魔法は基本的に、相手を傷つけるものというわけではなく、守るものとして使用することになっているからか、当てるようにして魔法は使えない。

でも、守ることしかできないと思っていた魔法でも、上に乗るなんてことができたのだから、攻撃でも使えると思うんだけど…

いい方法がないかな?

当てるように発動できないのなら、当たるよう発動させるとかかな?

そこで思いついたのが、今やろうとしてることね!


「我の前に絶対に通さない壁を作りたまえ、ホーリーバリア。我の前に絶対に通さない壁を作りたまえ、ホーリーバリア!」


二つのバリアを発動させる。

連続魔法は少し体に負担をかけるって聞いたことがあるけど、ここは仕方ないよね。

一つは水龍の目の前に、もう一つは後ろに!

出てきた水龍は、私たちのことをすぐに食べられるものと認識したのか大きな口を開けて、迫ってくるが、すぐにバリアによって阻まれる。

そうなると、今度はもっと勢いよく攻撃をしてこようとするはず。

そうして後ろに頭を向けたところを、もう一つのバリアで…

でも、私はわかっていなった。

というよりも、ドラゴンというものを初めて見たから、わからなかったというべきか…

水龍はかみつきをやめると、すぐに目の前にあるバリアに向かって何かをしようとする。


「何をする気なの?」

「わかりません」


でも、すぐに強い魔力が口に集まっているのがわかる。

これは、前カエルのときに見たことがある現象だった。

もしかして、何かブレスがくるっていうの?


「シバル!」

「アイラ様!」


守れそうになくて、ごめんと言おうとしたときだった、岩と一緒に人がふってきたのは…


「うわーーー」

「た、高いですよ」

「ふべら…」

「大丈夫ですか?」

「ああ、何か壁にぶつかったな」


そして、降り注ぐ大量の岩。

目の前にいるのは、ただしだった。

大量の岩は水龍に直撃する。


「ギャアアアアア」


そんな絶叫とともに、ブレスをはきだす前に湖に一緒に沈む。

これならいける、私は…

私たちはそう思った。


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