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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイは追われる運命ってね!
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60話

俺様はいいことをしていた。

最高にハッピーという言葉は俺様にこそ、ふさわしいのだ。

この世界に勇者としてやってきて、最初は確かに苦労したが、今は最高な気分を味わっている。


「本当に、何を言っても俺様の言葉が真実になるんだもんな」

「そうですね」

「だろう!」

「はい」


俺様は横に座った女を抱き寄せながら楽しく話す。

あの後、森を燃やしたのは名前もよく知らない、あの男のせいだということを話すと、最初は嘘か誠か調べない限りには犯人は本当にあの男なのかわからないと言われたが、そこに登場したのが、マルク商会という大手の商会だ。

そこの代表だという男は、実はその男と話をしたことがあり、そのときも強引に元聖女たちを従わせているものだと言っていた。

だから、誰の意見も聞くこともなく、そんな暴挙にでたのだろうと…

それを聞いたときには、俺様もさらに大きく話をした。

何もやましいことがないのであれば、この町に帰ってきているだろうと、帰ってきていないということはやましいことがあるからなのだと。

すると、代表も勇者様の言う通りではないのかという話しになった。

そして、すぐに俺がやったはずのことはその男がやったということになったのだ。

いや、最高だ。

再度そのことを考えなおしていたのには理由がある、それは新しい依頼が俺様に舞い込んできたからだ。


「それで、どういう内容のものだ?もう一度聞かせて…いや、俺様に渡してくれ」

「はい、勇者様に依頼の内容を書いたこちら手紙です」

「かせ」


俺様は手紙を受け取る。

そこに書かれていた内容を読んだ。

すぐに口元が緩んでしまいそうなのを我慢する。


「どうかされたのですか?」

「いや、依頼の内容が楽しすぎてな」

「どういう意味ですか?」

「わからないか?あのパーティーを捕まえろっていう依頼だぞ」


なんという必然なのだろうか?

俺様が貶めた相手を俺様が始末できることになるとはな。

そんな最高のシチュエーションがあるなんて…

本当にこの世界は最高だ。


「おい!」

「はい…」

「明日にはここを出発する、用意しておけ」

「はい」


俺様は出て行った女を見ながらも、横にいた女にさらに手を回す。

女が顔を赤らめるのを感じながらも、俺様はあしたからの楽しさを考えてテンションをあげるのだった。

全ては俺様の予想通り。

そして俺様が考えた通りに物語が進んで行く。

やっぱり勇者の俺様が、この世界の主人公なんだな。

そんなことを思って、笑うのをやめられなかったのだった。

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