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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイは追われる運命ってね!

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59話

「その石は、魔法石というものよ」

「魔法石?」


俺は思わず聞き返すが、他のみんなも首をかしげている。

どうやら、誰も聞いたことがないものらしい。

俺は知らないのは当たり前としても、他のみんなが知らないということに驚いた。


「これについては、基本的に出回ることがないのと、ヒメの国でも見つけたのはこれで三つ目です」

「そんな貴重なものがどうしてこんなところに?」

「はい、本当はかなり秘密なことですが、この魔法石には、中に魔法をためる効果があるのです」

「どういうこと?」

「はい、この魔法石にはやり方はありますが、どんな魔法でもこの中にいれ、誰でも使うことができるというものです」

「なんでそんなことを知っているのかっていうのは、この依頼が終わったら聞かせてくれるのよね」

「は、はい。不満ですか?」

「そんなことはないわよ。さっきも言ったでしょ、どうせこの国にはいられないのよ」

「そうだな。それで、その石で何をしようとしているんだ?」

「この町の下流にあたる湖にいる水龍を目覚めさせることですね」


その言葉に全員が驚く。

本当にいるというのだろうか?

でも、ヒメが真剣な表情で言うのだから、いるということなのだろう。

そこで気になったことがあった。

それは、もしいるとしてもどうやって水龍を目覚めさせるというのだろうか?

そもそも水龍が寝ているということも、どうやってわかるのかということだ。


「いろいろわからない点は多いが…」

「そうね。ヒメも、どうやって起こすのか、水龍が本当にいるのかも知らない」

「そうなのか?」

「それでも、やらないといけないのよ」

「どうしてだ?」

「それは、ヒメも詳しいことはわからない。でもヒメの上にいる人ならわかるから、依頼が終わった後になら話せる機会を作るわよ」

「なるほどな、結局疑問を解消するためには依頼をこなすしかないってことか」

「そうね」


理解はした。

それでも気になるところが多すぎる。

こういうときに頼るべき相手は決まっている。


「(いるか?)」

【何?】

「(どうして最初から不機嫌なんだよ…)」

【なんとなく?】

「(なんとなくで不機嫌になるなよ)」

【じゃあ、あたしが不機嫌でなくなるために必要なことを教えてあげよっか?】

「(何をすればいいんだ?)」

【ほら、そこにいるヒメって変装ができる子がいるでしょ?】

「(ああ、いるな)」

【その子と、変装、ヘンタイプレイをしなさい】

「(いや、できるわけないだろ…というか、プレイが極端すぎるんだが?)」

【何を言ってるのよ、必要なことよ】

「(何にだよ?)」

【もちろん、あたしが見たいからよ】

「(そんな理由で、俺の初めてはアブノーマルなことからスタートするのか?)」

【仕方ないでしょ、というか、周りを見てみなさいよ…】


そう言われて、俺は周りのメンバーを見た。

そこにいるのは、アイラにシバル、バーバルに今回の依頼相手であるヒメの四人だ。

全員がかなりの美少女なのは言うまでもないだろう。

でも…


「(そもそも、このメンバーで普通の初体験はうまれるのか?)」

【それは、あんたの頑張り次第でしょ?】

「(いや、そうかもしれないけどな。教えてほしいことがあるんだが…)」

【何?さっきの話?】

「(聞いていたのか?)」

【聞いていたっていうよりも、聞こえていたっていうほうが正しいのよ】

「(確かにそうだったな、それで?)」

【その魔法石だっけ?】

「(ああ)」

【そういう石があるのは確かよ。だから言ったでしょ、その石にはサーチの魔法がかかってるって】

「(言ってないからな。かなり言葉を濁していってただろ?)」

【そうだったっけ?】

「(まじかよ…覚えてないのか?)」

【うーん、だって魔法が使えるのって収納されている一回だけだし、別に適当で大丈夫かなって】

「(なんだよ、それ…)」

【説明してあげましょうか?】

「(もう、なんとなくわかったから別にいいよ)」

【なによ、残念ね】


俺はため息がでそうになるのを、なんとか我慢した。

自称神と会話するのはさすがに疲れるというのが正直なところではあったが、重要なことがわかった。

それは、魔法石という石が一度しか魔法をストックできないところだ。

というかどうやって魔法を使っているのかもわからない…

でも使いかたがわかったから、魔法石を奪ったヒメが狙われたということなのだろう。


「今はグダグダと考えても仕方ないな、飯でも食べるか!」


俺はそう言葉にすると、安定の誰も作ることができないご飯を作り、みんなで食事をとったのだった。

あとは、慣れ始めた見張りを交代で行うことになった。

順番的に、今回は俺の番ということもあり、火を眺めながらも時間をつぶすことになった。

まあ、こっちの方が気兼ねなくある意味休むことができるのでよかった。

あんなに美少女に囲まれてしまえば、そうなるよな。

そんなことを思っていると、隣に一人の気配がした。


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