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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイは世界を救う

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375/382

373話

魔王として倒されることで、みんなを救う。

そう決めて戻ってきた。

当たり前のことではあるが、アイラの表情は暗い。

それとは対照的にシバルとバーバルは俺に向かってくる。

二人の豊満な胸を左右から押し付けられるという状況は、なかなかにいい気分にはなるものではあったが、それも少しの時間だけだった。


「ただし、ただし…ボクは、これからもただしが好きです」


そんなことを言いながら、シバルは涙をボロボロと流す。

先ほどまでの元気な姿と違い、急に涙を流すシバルに少し驚くが、仕方ないことだった。

それは、そうだ。

俺が言ったことは、この世界から消えるということに間違いないからだ。

だから、別れが悲しいということが…


「ありがとうな。でも、泣くなよ」

「だって、ボクは気持ちの伝え方が下手で、それで…」

「うまくいかなかったってか?」

「はい。もっと強くいっておけばよかったと後悔しています」

「そういうこともあるのはわかるけど、うまくいかないのも人生だろ?」

「はい。確かにそうですね」

「だから、まあ笑えよな。じゃないとこそばすぞ?」

「は、はい。それはむしろご褒美なので、さあ、今からお願いします!」

「あ、言葉選びを間違ったな」


目を輝かせるシバルに対して、そんなことを考えながらも、やらないという選択肢もなくて、猫をかわいがるようにして、首から顎にかけてをこしょこしょと指でなぞる。

されたシバルは、気持ちよさそうに目を細める。

こうしていれば、ちゃんと可愛いのにな…

そんなことを考えながら、俺は少しすると、やめる。

少しして、シバルは不満そうに言う。


「ただし、足りませんよ!」

「そう言われてもな。ずっとやってるわけにはいかないだろ?」

「そうなのかもしれませんが…」

「うふふ、シバル。わたくしと変わりなさい」


そんなシバルを押しのけるようにして、バーバルが俺の前に来る。

いつものどこか妖艶な笑みとは違い、少し悲しそうに笑顔は見える。

ただ、シバルのように涙を流すということはなく、逆にゆっくりと俺の頬に手をかける。


「どうしたんだ?」

「あれよ。もっと早くお互いの初めてを終わらせておけばよかったのにと思っただけよ」

「あはは、そうできればよかったな」

「うふふ、冗談だと思っていますか?」

「さすがに、このタイミングではそう思っても仕方ないだろ?」

「確かに、そうで思っても仕方ないでしょうね。でも、わたくしは本気ですよ。もっと、わたくし自身に素直になっていれば、いい夜をたくさん過ごせたと思ったのよ」


バーバルはそう言って、ゆっくりと頬から胸にかけてゆっくりと指を動かす。

俺の体が無意識にビクッと動くと、バーバルはどこか満足そうだ。

妖艶に笑うバーバルだが、俺と同じ未経験なのを考えると、こういう雰囲気を出せるだけで童貞を卒業できたし、もっとうまく立ち回ることができたのではと思ってしまう。

今になっては意味のないことではあったが、そんなことを考えてしまうのは、童貞をこじらせてしまったからなのか…


「バーバルにそう言ってもらえるだけで嬉しいよ」

「うふふ、こんなときになっても、そういうことをちゃんと言えるのはさすがね」

「そうなのか?」

「そうよ」


バーバルは満足そうだ。


「でも、わたくしのことを最後まで覚えてもらうためにも、これは必要ね」


ただ、バーバルはそんなことを言うと、左の手を自分の胸にもっていくと、上から手を重ねることによって、自分の胸をゆっくりと揉ませる。


「あん…」

「なにやってるんだ?」

「最後なら、こういう感触が必要でしょ?」

「いや…」


そんなことはないと言おうと思ったのだが、右手がいつの間にか掴まれていた。


「バーバル!抜け駆けはダメですよ!」

「シバルがしないから、いけないのよ」

「だったら、今します!」


そして、シバルも同じように防具である服をかわすようにして、下からもむようにする。

二人の大きな胸をもむという、童貞には一生味わえないであろう経験をする。

その柔らかさというのか、心地よさに酔いしれていると、強引に手を離された。


「「何をやってんのよ(やっているのじゃ)」」


強引に外させた二人、ヤミとスターは、怒っていますというような表情をしているのだった。


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