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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイと旅立つ人たち

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326話

「ねえ、結局ここはそういうところってことでいいのよね」

「は、はい。そうだと思います」

「ふふふ、いいわよね。そういう場所がちゃんとあるっていうのがね」

「でも、こういうところに入るってことはやっていることはしっかりやっているってことなんだよな」

「そうなるんじゃないの?」


やるべき場所と言われてしまって、動揺するのを最小限にしていると、エルはさらに続ける。


「なあ、アイラたちはあいつとやったのか?」

「え、いや、それはね…」

「ボ、ボクはで、できて…」

「ふふふ、まだよね」


核心をついた質問に私たちは戸惑う。

その反応で、ただしとそういう関係にないということがわかったのだろう、エルは私たちのことを見る。


「ふーん、まだだったのか…こんなに美人ばかりを集めているから、そういうことをやりまくりだと思ってたけどな」

「そんなこと、するわけないでしょ?ねえ、シバル」

「は、はい。ボクたちは冒険をするために一緒にいますからね」

「ふふふ、そうね。やっていたらわたくしも含めて、こんな旅にはなっていないのは確かだものね」


私とシバルが、真面目に答えているのに対して、バーバルだけは少し余裕そうに答えている。

裏切られたと言ったらいいのか、それともさすがはバーバルと言ったらいいのかわからないけれど。

この余裕がズルいと思ってしまったりもする。

そんな私の考えていることがわかっているのかはわからないけれど、バーバルは私のことをチラッと見る。

そんな態度に、私は思わず言ってしまう。


「でも、全員が初めてなんだから、今は一緒でしょ?」

「ふふふ、どうなのかしらね」

「な、何?バーバルは相手がいたの?」

「そんなことはないわよ」

「だったら、ないってことない」

「ふふふ、そうね」


そう、完全な経験をしていない発言だった。

たぶん、シバルも同じだということはわかっている。

気づけば顔を赤くしているのを見ても、そうなんだろうということがわかる。

そしてだ…


「エル、あなたも顔が赤くなってるけど」

「そ、そんなわけねえから!」


この話しを振ってきたエルも顔を赤くしていた。

それで、エルも経験していないということがわかってしまった。

そして、エルもただしが好きだというのも、さっきのゲートを一緒にくぐってほしいという発言によって、私たちはわかった。

鈍感すぎるただしを除いて…

そう考えたときに、少しイラっとしてしまう。

だから、思わず口にしていた。


「もう少し、ただしがうまく立ち回れる人だったらよかったのに…」

「それを言うのなら、あの恰好もなんとかさせろよ」

「そうなんだけど、うまくいかないからね」

「そうですね」

「ふふふ、でも、そんなただしのことをわたくしたちは好きになったのでしょ?」

「それはそうなんだけど…」


ただ、そんな愚痴もバーバルの言葉によって言えなくなる。

好きになってしまった。

それをストレートに言われてしまえば、それ以上は何もいえない。

今も呑気な寝顔を横目で見て、いいなと思ってしまう。

これは、好きという気持ちが強いせいなのか、それともパンツなどの下着を被っていないせいなのか…

どっちものような気もするけど、ただしのことを見てしまったのは私だけじゃなかった。

だからこそ、ここからお互いに何を言うのかもわかる気がした。

その後のことは、私たちは何もなく、ヤミとの戦闘の疲れがあったのだろう、気づけば眠りについていた。



「ぐ、あ?」


体に少し衝撃があったと思った俺は、眠りから覚めた。

気づけば寝てしまったらしい。

ただ、問題があった。

体が動かない。

何が起こっているのか、わからなかった俺は、首を動かして、どうして体が動かないのかを確認する。

すぐに原因はわかった。

気づけばベッドに寝かされていた俺は、体のあちこちを掴まれていのだ。

右手にはアイラ、右足にはシバル、左手はバーバル、左足はエルという感じに…

なんといっていいのかわからないが、こういう状況は素直に喜ぶべきなのだろうと思ってしまうのだが、そうもいかない理由もあった。

身動きがとれないからだ。

ゆっくりとはがせればいいのだが、それができなかった場合に何が起こるのかを考えてしまうと、なんとか考えを落ち着かせて再度寝るという選択しかできなかった。

悶々としながらも…


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