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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
パーティーにヘンタイが増えた

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29話

「zzz…」

「ね、寝たのか…」

【ほら、襲いなさいよ】

「できるかよ」


結局部屋に入ってから鞭を振るうこと十回ほど…

なまめかしい声を張り上げたシバルは、疲れたていたのか、満足したのか…

わからなかったけれど、寝てしまった。

寝てしまったシバルに布団をかぶせて、俺は部屋に設置されている椅子に座っていた。

そして、俺は今更ながらにこれまであったことをまとめた。


「はあ…急に死んだとか言われて、気づけば異世界に転生させられて、そこで手に入れたスキルはヘンタイとか意味がわからないもので、出会った元聖女様と優秀な騎士と一緒に冒険することになって…元聖女様はケッペキスキルをもち、騎士はドエムスキルをもっていたと…」


状況を整理するためにも口にだしていたが、自分で言っておいて意味がわからない。


【いいじゃない、ほら、ハーレムルートよ】


そして、うるさい自称神もついていると…

これはいい状況と考えればいいのだろうか?

本当に情報量がおかしい。

それにヘンタイなことに情報が偏っているような…

くそ、こんな変なことを知るくらいなら、体はきつかったが、ジークたちと戦っていたときの方が気が楽だったぞ…

まあ、ヘンタイスキルを発動しないと全く太刀打ちできないのだから、それもそれでどうかと思うが…

とりあえず、そうだな。

寝るか!

俺は考えるのが嫌になる椅子に腰かけたまま、眠ることにした。

よほど疲れていたのだろう。

朝までぐっすりだったのは言うまでもない。

むしろ朝起きたときに、椅子に座ったせいなのか、起きた瞬間に仕事の締め切りがあったかと考えてしまった自分が悲しい。

それでもすぐに部屋がこれまでのものとは思えない場所だったことで、異世界にいることを思いだしたが…

こんな時にも、前世である社畜時代の記憶が残っていることに嫌気がさしながらも、俺は部屋から出る。


「前回の反省をいかして、今日は外でも歩くか…」


誰かが聞いているわけでもないが、自分にそう言い聞かせる。

まあ、前回お風呂に入ったところで、アイラがいたことを思いだしたのだ。

あんなことが何度も起こるというわけではないと思うが、それでももしかしてということが起これば、まあ面倒なことになることは必須だ。

だから今度は歩いて時間をつぶすことにした。

一時間もすればアイラたちが起きてくるはずなので、それまで散策を行うという感じだ。


「少しは町の中でも見て回るか…この世界に来てから、ゆっくり何かを見たという時間がなかったしな」


そうなのだ。

今更なのだが、この異世界にやってきて、やってきたことといえば、ヘンタイになって敵と戦ったり、ヘンタイスキルのために下着を盗んだり、ヘンタイになるためにいろいろなものを頭に被ったり…


「まじか…俺ってヘンタイになるために異世界にきたようなものだったのか?」

【違うわよ。そんなおかしな理由なわけないでしょ…】


自称神にそうツッコミを入れられるが、そもそもヘンタイスキルを与えてきたのはこいつなので、おかしな理由だと思ってしまうくらいには、現状ヘンタイなことしかしていない俺のことをもう少し労ってくれてもいいんじゃないのかと思う。

まあ、それを口にしてしまうと、また大事なタイミングで自称神の見解が聞けなかったりするので、言うことはないが…

ヘタレと言われてしまうかもしれないが、俺は合わせるようにして話を続ける。


「た、確かにな。今自分で言ってておかしいって思ったしな」

【それならいいけど、それで昨日はどうしてやらなかったの?】

「いや、言ったよな…さすがにできないって」

【話しは聞いてたわよ。でもせっかくのチャンス。それにドエムだってことを言ってくれたじゃない】

「いや、そうだけどさ…」


それで、よし襲いますとはならないと思うんだけど…

いや、俺がおかしいのか?

同じヘンタイみたいなスキル同士で引かれあうものがあるから大丈夫というものなのか?

くそー…

そういうことをするタイミングはわからない。

やっぱりあれなのだろうか、童貞に女性のことを理解することなど無理なのか?

考えれば考えるほどわからなくなってくるな。

そんなときだった。


「あっれー、君。こんなところで何をしているのかな?」

「えっと…」

「ふ、ふーん。わたくし?わたくしは怪しいものじゃないわよ」

「いや、そういうセリフを言う人ってだいたいが怪しい人だと思うんだけど…」

「それもそうでしたっけ?ふふふ」


急に話かけてきた女性は、魔法使いという言葉がふさわしい見た目をしている女性だ。

黒い服装に、黒い帽子。

長い黒髪に蒼黒い瞳。

手にはこれ見よがしに杖を持っている。

本当に急な声かけにビックリしているというのが今の状況だ。


「ふふふ、本当にビックリしてるわね。」

「ああ…かなりな。急な展開すぎて…えっと、魔法使いでいいのか?」

「ええ、そうですね。わたくしは魔法使いですね。こう見えても魔法学校というものを卒業していますから」

「なるほど…それで、急に声をかけてくれた理由は?」

「簡単にいえば、わたくしはあなたと今後も会えるとなんとなく感じて声をかけただけですから」

「そ、そうですか…」


どういうことなのだろうか?

見た目で魔法使いと思っていたし、魔法使いだと本人は言っているが、そんな意味深なことを言われると、魔法使いというよりも占い師なのではと思ってしまう。


「そうそう。だから、自己紹介はそのときにでもね。それじゃ、またね」

「あ、ああ…」


急な魔法使いの女性との邂逅は驚きを隠せない。

俺は驚きを隠せないまま適当な会話を返していたら、魔法使いの女性は去って行った。

わけのわからないまま時間が過ぎる。

普通はそうなるはずだった。

ただ、こういうときにも余計なことを言ってくるやつもいた。


【さっきの魔法使いの女性…いいわね】

「いや、急に話しかけてきて、なんだよ」

【わからないの?あんたのハーレムパーティーに入れることにしないかってことを言いたいのよ】

「いや、急に言われても意味がわからんからな。」

【わかるでしょ。とりあえず、追いかけて声をかけてきなさい】

「え?さっき別れたのに、すぐに会いに行くって…確かにまた会うことができたってことにはなってるけど、完全にストーカーみたいにならないか?」

【大丈夫よ。ヘンタイにストーカーが追加されても普通じゃない?】

「え…ヘンタイだと当たり前にストーカーでしょ?みたいな言い方をされると困るんだけど」

【じゃあ、追いかけるときに下着を被れば大丈夫よ】

「いや、何?顔ばれしなかったらストーカーになったところで大丈夫だろってことを言いたいのか?」

【物分かりがいいわね。あとスキルが発動したら、何かあったときに逃げられるしね】

「いや、追いかけることが前提になっている今の状況がおかしいことに気づかないのかな?」

【さあ、行くのよ】

「いや、行かねえよ!」


その後も頭の中で何かを言われ続けるが、無視を続ける。

今のところは何も怖くない。

だって、俺には下着があるからな。

ちなみに、しっかりとブラジャーも持っている。

だからスターに無視されたところで今のところいいのだ。

そんなことを考えながらも、俺は無駄に時間をくったせいで宿に戻らないといけなくなった俺は二人のもとに戻ったのだ。

いや、本当に神はうるさいな。


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