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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイとラグナロク

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281話

夜になり、休息をとる。

リベルタスには明日の朝一番に行けばいいだろうという結論に落ち着いたからだった。

だからこそ、ゆっくりと休息をとるタイミングで、俺はシバルと二人作戦を練っていた。


「シバル、どう思う?」

「なんとなくわかるんですけど、そんなことができるんでしょうか?」

「ああ、できると思うぞ」


俺たちはこれから起こるであろうことについて話しをしていた。

そして、俺の予想を聞いてシバルは本当にそんなことができるのかと思っているようだ。

ただ、俺としてはできると思っている。

それは、ゲートの多重化だ。

エルがやっていたことである、勇者が召喚されるときに現れる最初の試練。

モンスターが現れるためのゲートというものを、そのゲートで取り込んでいたのだ。

ゲートを取り込むことでスキルとして強くなっているだろうと思うからだ。

そこでできるようになると思ったのは、ゲートをたくさん作るというものだ。

漫画などでよくある、魔法で転送などを使うやつらが、戦闘で使うときは敵の魔法だったり投げて攻撃してきたものを転送させて戦うというのが普通だ。

そのときに転送できるものが一つなんてことになれば、適当に大量のナイフを走りながら投げ続けるとか、魔法をゲートの前に落とすことで多くの砂埃や爆発の勢いで倒されるなんてことは転送系の魔法やスキルをもっている相手の攻略法であり、逆にいえばそこを一番最初に対策する。

まあ、それがたくさんの転送魔法を使えることだったり大きな転送魔法を作りだせるようになることだったからだ。

だから、俺にはわかるのだ。

たぶんラグナロクがこういうことをするのであろうということを…

理由?

それは…


「昨日呼ばれたときに、エルというゲートが使える人と一緒にメイさんがいたからですか?」

「ああ、そういうことだ」

「でも、どうしてそうなるんですか?」

「そのときに、エルの様子が少し違ってたからな」

「それでわかるものなんですか?」

「なんとなくだけどな。そんな気がするだけかもしれないけど、警戒はしておいて損はないしな」

「そうですか…でも、そうなると完全に分断されると思うのですが、それはいいのですか?」

「いいというか、そうなるしかないだろう。分断されない方がまずいことになるだろうしな」

「まずいことですか?」

「ああ、相手にはゲートがあるからな」

「はい、それはわかるのですが、それがまずいことなのですか?」

「そうだな。相手の裏をとることができればいいけどな。それができない場合にはそのままでいくのがいいんだ。だって、ゲートで余計に飛ばされることになったら面倒くさいからな」

「そういうものですか?ただしであれば、避けることができると思うのですが…」

「確かに俺だけならそうなのかもしれないけどな」


そう、俺だけであればヘンタイ眼を使うことで、避けることができるだろう。

でも、避けたところで取り残されるのは俺だけだ。

俺一人対ラグナロク。

想像しただけでも、嫌になりそうだ。

それならどこかに飛ばされる方がまだマシなのだ。

俺なんかはヘンタイスキルが発動しなければ、ただの一般人と同じなのだ。


「俺がヘンタイスキルを発動できない状態でまともな戦いができると思うのか?」

「それは、確かに難しいかもしれませんね」

「だろうって自分に言うのは嫌だけど、実際そうなんだよな」

「確かにそうですね。でも、そうなるとただし一人を全然違う場所に飛ばすということはあり得ないのですか?」

「それもあり得ないと思っているな」

「どうしてですか?」

「ラグナロクが俺のことをちゃんと知っているのなら、ミライが来る気がするんだよな…」

「あー、なんとなく予想できますね」

「だろう。だからな、俺を一人飛ばすのは難しいと思うんだよな」

「そう言われると確かにそうですよね」

「ああ、だから俺と分断されるであろうシバルに少し話しでもしておこうと思ってな」

「わかりました」


そして、少しシバルと話しをした。

といってもほとんどは予想として起こることだ。

本当にそんなことが起こるのかというのもすべては予想だ。

普通にこのまま何事も起こらないで明日の朝を迎えるということも普通にあり得ることだった。

だから夕食を食べ終えた後に、少しだけ話したいことがあるとレメに連れていかれたときも、特に何も変わらないと思っていた。

だけど、そうじゃなかった。


「ねえ、ただし。レメの代わりをしてみない?」

「は?」


その言葉は驚きと、その後の展開を変えるものへと変更できたのだ。

そして、レメ自身が望む展開にそれはなったのかはわからない。

ただ、それでも俺は…


「少しでも女性というものに忠実に触れた気がしたんだ…」

「何を恰好つけて言ってるのよ!というか、何が起こったのよ!」

「ただし?それは何が起こったのですか?」

「あれ?おかしいわね。ただしも魔法が使えたのかしら?」


アイラに思いっきり頭を揺さぶられながらも、二人に不思議蒼に顔を見られるという状況になったのだ。

ザンとイル、そしてジークに見られながらも…



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