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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイが異世界にやってきた

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27話

そのころ、勇者はというと…


「くそくそくそくそ…」


うまくいかない、この状況について、地面をける。

それに対して、聖女になった女が口を挟んでくる。


「勇者様。目的を忘れてはいけません」

「うるせえんだよ。お前らも、俺がいることで聖女や騎士、魔法使いとして上に上がれたということをわかっているのかよ!」

「それはそうですが…」

「ちっ…今夜も可愛がってやるから、それでいいだろうがよ」


そういって俺は聖女になっている女の尻を掴んだ。

それによって女は顔を赤く染める。

俺は笑う。

そうだ、俺が勇者だからこうなるのが当たり前なんだ。

今から俺たちが向かっているのも勇者である俺しかできないことだから、やるんだ。

そうだ、俺の行動は間違ってなどいない。

森に入る前にあった、あんな意味のない呼びかけなどに応じる意味もない、だから俺たちは森に入ってきた。

そもそも元凶を壊さないと、ずっとモンスターが湧いてくるというのに、何を考えているんだあいつらは…

そう考えていたときだった。


「ギャギャギャ」


いつものように気色の悪いゴブリンの声が聞こえて、俺たちは戦闘態勢に入る。


「オラ、蹴散らすぞ」

『おおー』


前衛である騎士たちが盾でゴブリンたちの攻撃を防ぎ、何かあれば聖女となった女が回復をして、魔法使いの女と俺が魔法で攻撃する。

それにより、すんなりのゴブリンを倒す。

俺は倒れたゴブリン体を蹴飛ばしながら言う。


「ははははは、やっぱりそうだよな。勇者はこうなんだよ」

「はい、さすがです勇者様」

「ああ、そうだろう。」


同意する聖女を見て、俺は思う。

そうだ。

あの町であったことなど全部俺に対しての都合の悪い夢だったんだ。

そうじゃなければ、勇者である俺がこんなモンスターごときにやられるなんてことにはならないはずなんだ。

まあいい。

俺はここで、モンスターが出てくるという穴を破壊することができればそれだけで、勇者として祀り上げられるのだから…

勇者にしかできないこと、それをするだけでいいんだよ。

そうして黒い穴があるという場所に行ったときだった。


「何もないだと?」

「これは、何かが攻撃したあとですか?」

「そうみたいですね。どうしますか勇者様」


そう、あると言われた場所には、何か魔法で焼かれた後以外は何もなかった。

これじゃあ、どうするかと言われても、俺の手柄がなくなるじゃないか…

どうする?どうする?

いやいやいや…

そうだ。

よーく考えろ、これはチャンスだ。


「おい、このことは俺がやったことにしろ!」

「ですが勇者様…」

「ですがじゃねえよ。誰がやったのかなんて俺たち以外誰も見てないんだ。だから俺がやったことにしても問題ないだろうがよ」

「ですが勇者様。これは炎系の魔法によるものです。雷系の魔法である勇者様とは別になります」

「そうかよ。雷よ、相手を倒す稲妻となせ、サンダー」


俺はすぐに魔法を唱えた。

それにより、焼け焦げていた地面を雷でさらに焼く。


「は…これでわからないだろう?」

「それはそうですが…」

「いいんだよ。これでな!」


そうだ。

全ては俺がやったことにすればいいんだよ。

そうすれば俺の評価は爆上がり、そして勇者としてもっと敬われるんだよ。

勇者が活躍すれば世界が救われるのだからいいだろう。

そうだ!


「全て俺の手柄にすればいいんだよ」


本当に笑いがとまらないとはこういうことだろう。

そうなんだ。

俺が勇者なんだから、全ては俺が解決したことにすればいいんだよ。

そうして、俺の勇者としての人生が始まるんだ!

俺たちは颯爽とギルドへ報告に戻るのだった。


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