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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイが異世界にやってきた

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26話

「何かあったのか?」


俺は白々しい感じで森からでてきた。

ちゃんと頭を押さえるということで、頭を殴られましたという演技つきだ。

それに気づいたアイラが近寄ってくる。


「ただし、大丈夫だったの?」

「いや、俺もわからん。あのドーレってやつに盾で殴られて、その後に何か変な奴が出てきて助けてくれたような気がするんだが…気を失っていたからな」

「そうなんだ」

「ああ…どうかしたのかシバル?」

「いえ、とくには…」

「そうか?」


何か話したいことがあるような雰囲気をだしながらもシバルはそこで口を紡ぐ。

これはばれているだろうか?

そんなことを頭をよぎるが…

結局はアイラにばれていないのであれば、それでいいか。

そうだ、この状況でばれてしまって、俺に対してケッペキスキルを発動しないのであればそれでな。

よし、後は話術で…


「そういえば、ゴブリンたちはどうなったんだ?」

「それなら、もう逃げて行きましたよ」

「そうかい。あと、俺のコートはどこにいったんだ?」

「えっとヘンタイな男が私に渡してどこかに行ったわよ」

「そうか」


俺はコートについてここで聞いておいた。

そうすることで、俺があのヘンタイ男とは無関係だということを言葉にしておきたかったからだ。

それで信用するかはともかくとしてな。

それにしても、予想はしていたが、ゴブリンたちはあの戦いの後逃げていったようだ。

まあ指揮官がいなくなったゴブリン集団は士気も下がり結束がとれなくなってしまえばただのモンスターなのだから、そうなるのが必然ということなのだろう。

ということは、俺たちの戦いは終わったということかな。

そんなときだった、俺たちの前に一人の男が地面に膝をつく。


「失礼いたします。」

「えっと、あなたは…」

「自分は聖騎士副長の、オンダと言います。このたびは聖騎士長の反乱を止めていただきありがとうございます。」

「いえ、本当に止めたのは私たちじゃなくて、あの変な恰好をした人ですから…」

「それでも、これからのことについて、話をさせていただきたいのです」

「それは構いませんが…」

「すみません。えっとただしさんでしたか?あなたはこちらで少しお待ちいただけますか?」

「えっと」

「では、こちらへ」


有無を言わせないように連れていかれた二人。

俺は急に独りぼっち。

ちなみに、ドーレも拘束されて回収された。

今この場所には俺だけという感じだ。

いや、頑張ったというのに本当にどういう状況なんだよ。

こういうときにあれだ、一難去ってまた一難という言葉を使う感じなのだろうか…


「ま、仕方ないか」

【何が仕方ないかよ。こんなところにいないで、行ってきなさいよ。】


だからこそ、一人そう言葉にしたのだけれど、それを許さない自称神がいた。

ただ、俺もそれに対しては反論した。


「いやいや、無理だろう。俺はこの世界でも異物ってやつなんだからさ。こうなるのも仕方ないって」

【はあ…そういう急に自身を無くすところが、三十年近くも童貞やってたあなたらしいわね】

「童貞の話は仕方ないだろう。というか、急に童貞言うなよ」

【本当のことを言っただけじゃない。違うの?】

「いや、そうかもな」


童貞を言われることによって、負ける。

なんだろう、惨めなのだろうか…

確かに俺はこれまで三十年近くも童貞だった。

でもだって仕方ないだろう。

ここで、ちょっと待てといって追いかけることができるのであれば、童貞なんかじゃないのだろうから…

まあ、仕方ないと思って、素直に疲れた体を癒すために宿にへでも帰ろうかな…

俺は町の近くまで歩いてきたときだった。


「ただしー」

「アイラ様。そんなに走っては転びますよ」

「いや、私は子供か!」


そんな騒がしい声が聞こえる。


「どうしたんだ二人とも…」


走って近寄ってくる二人に俺は驚いて声をかけると、アイラはニッと笑う。


「まあ、話が長いし、面倒くさそうなことを言われたから出ていってやったわ」

「まじかよ、くくく…」


自身満々に言うアイラに思わず笑ってしまう。

これはシバルにも期待できそうだ。


「それで、シバルはどうしてだ?」

「ボクはアイラ様の行くところについていく。それにただしにも興味が出てきましたしね」

「そうかい。」

「ふふふ…それじゃ、これからの冒険に向けて話でもしましょうか!」

「はい」「ああ」


そうして、俺たちは三人で町に入っていく。

これからの冒険について考えながら…


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