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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイと過去

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248話

「それで?どうしてご飯を一緒に食べることになってるのよ」

「決まっておるぞ、ワイたちがあんなところでずっと立ち止まっていたらぞ、不審に思われるぞ」

「確かにそうなんだけど」

「そうぞ」

「だったらトイレとかっていう選択肢もあったと思うんだけど」

「そ、それはぞ。ワイも男なんぞ、さすがにそれはできないぞ」

「そうなんだ」

「そうぞ」


ただしなら喜んで行こうって言いそうだけど。

そう思うと、天才研究者と自分で言っているから、そういうものも気にしないものだと思っていたけれど、そうじゃないみたい。

それでも、みんなと同じようにご飯を食べるというのもリスクがあったんじゃないのかと私は思ってしまう。

例えば、ご飯の中に何かが入っているとか…

セイクリッドなら、全然ありえることだしね。

だから、私たちは食べる前にご飯に魔法をかけたりして予防をしていたのだけど、ここのご飯は大丈夫ということらしい。

それも、ジーニアスが作ったものでいろいろ調べることができるものらしい。

今回は料理に入っていた毒などを調べるものを使ったみたいで、安全というのが証明されたので、ご飯を食べている。

確かに、私もお腹が空いていたので、ご飯を食べることに関しては、賛成だったのだけど…


「もう、食べなくてもよいぞ」

「え?まだ足りないよ」

「そうなのかぞ?」

「そうだよ」


私が食べていると、ジーニアスが驚いて声をかけてくる。

仕方ないと思う、食べないとやっていけないのだから…

ただ、それも強制終了を迎える。


「動き出したぞ」

「え?」

「行くぞ。さすがに終わりぞ」

「そんな、私はまだ食べたいのに」

「なんぞ、大食いとはさすがに驚くぞ」


引っ張られるようにして立たされた私は、ジーニアスとゾンビのように歩いていく彼女たちについていく。

このままどこに向かうというのだろう?

私たちはそれについていく。

わからない以上はついていくのが一番いいということだろう。

じゃないと、すぐに私たちが不審者扱いを受けて捕まってしまうだろう。

こんな姿を強要している時点で、どっちが不審者なのかと言いたいところなんだけどね。


「それで、次はここってわけね」

「そうみたいだぞ」

「このままだと嫌な予感しかしないわね」

「どうするぞ?」

「やれるかわからないけど、なんとかできるかもしれないかな」

「それはなんぞ?」

「えっとね…」


私は思いついていたことを耳打ちする。

それを聞いて、ジーニアスは驚く。


「本当にできるのかぞ?」

「わからないから、できるかわからないけどって言ってるでしょ?」

「確かにそうぞ…でも、できなければばれることは理解しているのかぞ?」

「どっちにしても、このままだといずればれるってことがわかるでしょ?」

「それはわかっておるぞ」

「だったら、いいじゃない。どうせやるならこっちからばらしてやればいいんだから」

「なかなか君は無理やりぞ」

「これまで、そういうふうにやってきたんだから、仕方ないでしょ」


私は魔力を集中する。

今の魔力だったら、私が考えていることができるはず。

ジーニアスに聞いても、めちゃくちゃな考えかただって言われた方法だけど、できると思うんだからいいでしょ?


「我の前に絶対に通さない聖なる壁を作りたまえ、ホーリバリア」

「おお、この魔力はすごいぞ」

「どう?」

「すごいぞ」

「できるってことがわかった?」


私の魔法は、思った通りに発動した。

この建物を覆うようにバリアが発動する。

さすがにかなり多くの魔力を使いすぎたとは思う。

でも…


「今の魔力はなんだというんですか?」

「本丸が登場ってわけね」

「そうみたいぞ」

「何?今のことをやったのは、あなたたちだっていうの…」

「じゃなかったら、ここにいないんだけど」

「く、ご主人様の邪魔をしに来たというのね?」

「だったらどうするの?」

「決まっているでしょ?こんなものくらい、破壊してあげるのよ」

「やってみればいいでしょ?」

「後悔しても遅いのよ」


でてきた女はそう言いながら、手を上に向ける。


「水よ、相手を貫く水となせ、ウォーター」


女性は魔法を放つ。

上を向いて飛んでいった魔法は私が張ったバリアに当たる。


「なんですって」

「そりゃ当たり前ぞ」

「そうか」

「気づくのが遅いのよ」


そう、破れるはずがない。

だって、私が張ったバリアの方が魔力がこもっている。

ううん、そもそも魔力が私の方が多いのだから…

魔法は魔力が高い方が勝つ。

それを前回、私たちはちゃんと知ったのだから…


「だから、負けないのよ」

「なんですって」

「我の手に、守るための聖なる力を与えよ、ホーリージャベリン」

「く…」


私はホーリージャベリンを投げる。

ずんとそれは体を弾き飛ばす。

ホーリージャベリンでは、相手は殺すことはできない。

でも、魔力を込めることで相手に痛い思いをさせることくらいはできるので、女性は弾き飛び、その勢いで失神した。


「ふむ…でたらめぞ」

「何を言ってるの?当たり前のことよ」

「変わったやつらぞ」


何か酷い言われような気がしないでもないけれど、私はみんなを解放することに成功したのだった。


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