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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイと過去

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246話

「どうしてこういう服装になるのよ」

「アイラ様、よく似合っています」

「それはありがと…でも、やっぱりこういうのは苦手なの」

「ま、アイラには胸がないからね」

「叶?言っていいことと悪いことがあるって、わかるでしょ?」

「そうなの?叶だったら、この服をお兄ちゃんに見てもらいたかったなって思ったよ」

「それは、私だって…」


見せたいわよと言おうとしてやめる。

見せたいとは思うけれど、自分の胸を見て、大丈夫なのかと心配になる。


「なんぞ、何を見ているのぞ?」

「なんでもないわよ」

「気にしなくても大丈夫ぞ、ワイらは潜り込めればいいだけなのだからぞ」

「そうなのかもしれないけど、ジーニアスは恥ずかしくないの?」

「大丈夫ぞ、これも研究の一環と思えば、恥ずかしさなどあってないようなものぞ」

「さすがはジーニアス様ですね」

「あなたはそれでいいの?」

「ジーニアス様に見てもらえれば、それで大丈夫です」

「そういうものなんだ」


私は頭を抱えたくなるのを我慢しながらも、今回の作戦を思い出していた。


「まずは、これに着替えてもらうぞ」

「これって」


そこで渡されたのは、服だった。

それも、それなりに露出があるもので、どう考えても恥ずかしすぎる代物だった。

ただ、叶だけは嬉しそうだったのはこの服装をただしに見せたかったからなのだろう。

でも、それでも…

さすがに布面積がこれだけ小さなものというのは、さすがにどうかと思う。

叶が言うには、これは水着というものらしい。

服屋で選んだものだけれど、見たときにかなり驚いたくらいだ。

私は黒色の下着とよく似た、シンプルなものを選び、シバルは恥ずかしいという理由から上から下まであるタイプ。

レオタード?というような名前のものにしていた。

叶は、いろいろフリルというものが付いたものにしている。

ジーニアスは女装したうえで、その子供体系を生かして、スクール水着というしっかりと体を覆われているものを、アシストは私もびっくりしたのだけれど、紐のようなもので隠す下着をつけている。

そんな布面積が少ない服を着て私たちは何をさせられるのか?

それは、水遊びみたいなものだった。

行われる競技というのは、この服装でするということで水を張った池のような場所で、ボールを叩きあうというもので、なんでそんなものに参加するのかというのは、そこにあのメイニアと呼ばれる女性も参加することが理由だった。

ちなみに、絶対に私ではないと思うけれど、そのメイニアに気に入られることで、メイニアの研究所に入ることが可能になるからだろうということから、こういう計画になった。

さすがに、そんなうまくいくものなの?

不安しかない計画に大丈夫なのかと思いながらも、ジーニアスがかなりの天才だということはわかっているので、天才が言うのだからそういうものだと思って、私たちは、それが始まるまでの時間を過ごしていた。


「それにして、かなりの人がいるんだね」

「当たり前ぞ。メイニアに見初められれば、このマゴスの中での地位は安泰なんだぞ」

「そういうものなの?」

「そうぞ。まあ、そうなるためにはメイニアに何かをされるということらしいぞ」

「それって、大丈夫なものなの?」

「わからんぞ。それを知るための今からだぞ」


ジーニアスがそういったところで、私は周りを見る。

周りの女性たちを見ると、かなり綺麗な人ばかりだ。

でも、気になることもあった。


「ジーニアス。気になったことなんだけど、この集まりって、男はいないの?」

「いないぞ」

「どうしてなの?」

「それは、メイニア自身が女性にしか興味をもっていないからぞ」

「そうなの?」

「理想があるらしいぞ…それも、すべて終わればわかることぞ」

「そうね」

「始まるぞ」


ジーニアスのその言葉で、私は視線を前に移す。

そこでは一人の女性が箒で浮いていた。


「はいはーい。こちらは、メイニア様の従者の一人でございます。ここに集まってもらった理由はおわかりですよね。さっそく、ルールをご覧くださいねっと」


箒の女性はそういうと、何かを箒からたらす。

そこに書かれていたのは、ドキドキ水着の水中球技だった。

参加人数は五人、チームに分かれて勝敗を決める。

これに勝つことで本線へと進めるということらしい。


「ねえ、これって、本当にやらないといけないことなの?」

「そういうなぞ。一年に一度のみのイベントが今回行われるというタイミングなのぞ。こういうイベントのタイミングのほうが油断を誘えるというものぞ」

「確かにそうなのかもしれないけど…」


これだったら、普通に正面から潜入して戦った方がいいんじゃないの?と思ってしまう。

ただ、私たちが潜入したところで、ジーニアスがいないと意味がないことはわかっているので、どうしようもない。

私は、同じように付き合わされる二人に声をかける。


「叶、シバル…やるしかないみたい」

「大丈夫です。ボクは頑張ります」


シバルは元気よくそう言ってくれて、頑張ろうとうなずいた。

叶の方は、何か違うことを気にしているのか、無意識に手首に爪をたてて、そこからは気づけば血が滴っていた。


「叶?」

「え、あ、ごめんね。聞いてなかったよ」

「頑張ろうねって」

「えー…叶はお兄ちゃんが見てないと頑張れない」

「急にわがままになって…」

「そうかな?叶はいつも通りだよ。ほら、試合始まるみたいだよ」


叶がそう言って、視線を動かす。

私も、同じように視線を動かしてそっちを見る。

テンションが高い司会によってチームからの水中球技が始まる。

やるしかないと感じた私たちは、勝つためにしょうがなく試合を行う。


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