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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイが異世界にやってきた

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23話

攻撃をなんとか防いだ私たちは口にしていた。


「強い…」

「ええ、さすが聖騎士長というところね」

「はい。このままでは押されて負けてしまいますかね…」

「でも、そうなると、拮抗している騎士たちの今の戦いが崩れてしまうわね」


ただしが、ドーレを連れて森に入って行ったところを再度見る。

それを同じように目で追ったジークが肩をすくめていう。


「ふ…あの男が気になるのかな?」

「いえ、別に…」

「まあ、心配しなくてもいい。すぐにわたしの一番優秀な部下であるドーレがあの変な男を倒して戻ってきてくれるからな。」


そんなことを言われるが、私はそれに対して言い返す。


「わからないわよ。あのただしがただでやられるとは考えにくいからね」

「そうですね。ただしはセンスがあると思いますよ」

「ふ、センスだけでわたしたち騎士が倒せるというのなら、見せてほしいものですね」


それでもただしならと考えてしまう。

私たちの中でも戦闘能力がわからないのは、ただしだけだ。

ただしならなんとかやっているんじゃないのかと思ってしまう。

私にもあっちがどうなっているのかわからないけれど、それでも少しでも時間を稼いで、その間に何か突破口を見つけることができれば…

そう思っていたときだった。


「アイラ様!」


切羽詰まったシバルの声が急に聞こえる。

慌てて横を向くと、ゴブリンがこっちに向かってこん棒を振りかぶっていた。


「く…我の前に壁を、バリア」

「ギャギャギャーーー」


とっさにバリアで防ぐが、ゴブリンはそのバリアを破壊する。


「きゃ…」


そしてこん棒によって私は吹き飛ぶ。


「アイラ様!」

「だめ、シバル!」

「優等生。わたしを視界から外すのはよくないと思いますよ」

「くう…アイラ様。話しているうちに攻撃を仕掛けてくるなんて卑怯な!」

「ははははは、それが戦闘経験の差というものだというのが教えてあげますよ」

「アイラ様…」


シバルはあのジークを相手するので手一杯。

今の私の状況は絶体絶命。

なんとか体を起こそうと力を入れるが、その前に私はゴブリンに押し倒され、すぐに腕を掴まれた。


「あ、もご…」

「ギャギャギャ」


このゴブリンは他と違うのだろう、すぐに魔法を唱えるための口を何かを突っ込まれることで封じられる。

このままじゃ…

そしてそれを見たジークは嬉しそうに笑う。


「ははははは、どうだ!わたしの正義の前では全て無意味だということを教えますよ」

「くそ、アイラ様!」

「でも、これでわかったかな、わたしがこうやって攻めても、元聖女様が襲われそうになっても、君たちが召喚した勇者は何も助けようとすらしてくれないということをね」

「くそ、勇者様はいないのか!」


そのジークの言葉で後ろで騎士の人が声を張り上げるが、あの勇者が出てくるということはない。


「これでわかったでしょう。勇者は意味のない名前だということをね。さあ、元聖女様を助けないと、襲われてしまいますよ」


その言葉でゴブリンの手が服を破り捨てて、肌があらわになる。

体が震えるのがわかる。

いつ選択を間違えたのだろうか?

冒険者になるところまではうまくいっていた。

それなのに今は気づけば、いいようにやられてゴブリンに押し倒されて…

こんなことになるのなら、ただしに助けに行きたいと言わせるような行動をしなければこんなことにならなかったのだろうか?

ゴブリンに犯され始める私が。どこか他人に見える。

あーあ…

本当は、ジークを倒してただしのもとに駆け付ける。

そんなことができると思っていたのに…

せっかく冒険者としてこれからだっていうのにね。

ただし、ごめんね…

助けに行ってあげられなくて…

もうダメかな…

そう思っていたときだった。

人が飛んできたのは…


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