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魔法使いになれなかった俺はヘンタイスキルを手に入れた  作者: 美海秋
ヘンタイと異世界のこと

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216話

「くそ、暇だ…」

【別にいいじゃない、殺されないだけ…】

「いや、物騒なこと言わないでくれますかね。ただでさえ、俺の苦手なイケメンも多い、この里に入った時から嫌な予感がしてたからな」

【何よ、その童貞みたいな感想は…】

「童貞なんだから、仕方ないだろ?」

【ええ…あたしが見てない間とかに、うまく相手でも見つけなかったの?】

「そんな簡単に童貞が捨てられるなら、俺だってもっと前に捨ててたっての」

【確かにそうね】

「そう思うのなら、言わないでくれますかね。俺だって童貞いじりだけはダメージが通常の二倍はあるからな」

【だったら、さっさと卒業でもしたらいいじゃない】

「く…」

「ふふ、楽しそうね」

「バーバル…お前には、俺がいじって遊ばれているのが、楽しそうに見えるのか?」

「だって、一人でずっと喋ってるんですよ。楽しそうって思うでしょ?」

「確かにそうかもしれないけどな、バーバルも誰と話してるのかわかってるんだから、あんまりからかわないでくれよ」

「ふふ、確かにそうね。でも、こんなことになるとは、わたくしも思いませんでしたね」

「まあな」


俺もバーバルの話しを聞いて驚いた。

だって、俺も知っていたらそんなことは答えるだろうし、疑問に思えばこのうるさいけれど、それなりに頼りになる自称神たちに教えてもらうこともできたからな。

まあ、そんなことをすれば、いろいろ面倒なことにはなりそうだが…


【ふーん、よくわかってるじゃない】

「おい、いちいち考えてることを察するなよ」

【仕方ないでしょ、わかりやすいんだし】

「いや、そうかもしれないけど…それよりも、そっちのおネエはどうしたんだ?」

【あんたの妹の方もいろいろあるみたいで、そっちで話をしてるみたいね】

「まじかよ」

【それで?これから、どうするの?】

「どうするって言われてもな…」


牢屋に放り込まれた。

そして、バーバル曰く、この牢屋は魔力を封印するものらしい。

そんなことを言われても、魔力がない俺には関係ないことだ。

だから、やることと言われても、俺がやれることはほとんどない。

そもそも牢屋って見張りがいるものだよな。


「見張りもいないから、さすがに何もできないな」

「本当ね。見張りがいたら、ただしがうまくやってくれそうなのにね」

「まあな、こういうところで見張りと話とかして、うまく取引をして牢屋から脱出するっていうのとか、ちょっとやってみたかったんだけどな」

「ふふ、そういうの好きそうね」

「まあな。それに、この里にある予言というものも気になってるしな」

「ふふ、そうですね。わたくしが聞けた内容もほんの少しだけでしたからね」

「みたいだな…」


予言。

ミライが使っていたような、ヨチスキルとは違って、スキルではない分、この里にいるすべての人にしっかりと共有される内容だということだ。

だから、すぐに俺は捕らえられて、こうなったというわけだ。

それに、バーバルがとらえられた後に少し話をしてわかったことだが、予言という名前なだけあって、視えるものが少しずつ変化をしているらしい。

今はどんなものが視えているのか、それが気になるところではあった。

それにしてもだ…


「本当に、暇だな」

「ふふ、でも、モンスターがせめてくれば、暇も解消されるんじゃないのかしら?」

「確かにそれはそうなのかもだけどな。そもそもせめてくるのか?」

「わからないわね。一応モンスターがせめてくるためにはわたくしたちがいるって考えていたみたいなのよね」

「まじかよ、そんなことできるわけないのにな」

「ふふ、魔王は連れてるのにね」

「それは言わないでくれ…」


でも、会話を聞いたときに言っていたことを今更ながらに思い出す。

予言は絶対に当たる。

そして、捕らえられたのは俺たちの二人。

エルフの里にモンスターたちがせめてくるのは、この後もう少ししてから…

うん?

ちょっと待て、よくよく考えるとおかしいことに気が付くな。

モンスターがせめてくる。

それについては、すでに決定事項でエルフの里の人たちは得に慌てた様子はない。

最初は、俺たちをとらえることで、モンスターがせめてくるのをとめられると思っていたが、別にそういうわけじゃないだろう。

だって、さっきせめてくるのは決定事項だと、思い直したばかりだからだ。

だったら、俺たちはなんで捕らわれたのか?

答えは…


「なあ、バーバル…」

「なにかしら?」

「俺たちってさ、せめてきたモンスターに対する生贄か何かなのか?」

「ふふ、どうかしらね」

「どうかしらねって…」


俺は、バーバルのその言葉に思わずため息をつきそうになるが、すぐにその事態が変わることに気づく。

足音がバタバタと聞こえる。

嫌な予感がしてきたな。

そんな俺の考えと同じで、頭に声が響く。


【人が来たわよ】

「みたいだな」


勢いよく扉が開けられて、俺たちの牢屋に人が入ってきた。

入ってきた人といえば、このエルフの里で俺を捕らえると言ってきた長の女性だった。

そして、護衛なのかその他数人も入ってくる。


「予言のための供物になってもらうぞ」


予想通りの展開だな。

そして、俺たちは連れていかれることになった。


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